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テーマ:仏教について思うこと(1037)
カテゴリ:真言宗・密教・弘法大師
先日法事の後にお膳を用意していただいたのですが、
そこで面白い質問がありました。 「ところで、質問させていただいてよろしいか?」 「ハイどうぞ!」 「真言宗は何故1200年も続いているか、その理由を聞きたい」 「難しいですね」 「何で~そんなことも判らんの?」 「わかりません。真言宗の坊主は皆判らないと思います」 「ええ~何で~」 「それは当然です。『真言宗の教えはすぐれている』と 思っていますから、続くのは当然です。理由なんかありません」 「そら、一本取られたな~、じゃあ説明しよか」 ということで説明していただいたのですが・・・ 相手の方が酒気帯び&高齢ということで 全くわかりませんでした(;一_一) それはさておき、前回の日記で 「空海が飛びぬけて多いのも驚きです」 というコメントがありましたが、それも当然です。 巨大教団を一人で作り上げた仏教者としてあげられるのが、 弘法大師、伝教大師(最澄)、栄西禅師の三人です。 実は日蓮上人、親鸞上人、道元禅師などは、独特の教えを 生み出しましたが、自らがその教えに基づいて大きな教団を 作ったわけでなく、弟子がその教線を拡大しました。 一方で伝教大師(最澄)、栄西禅師の二人は独特の教えを 生み出したわけではありませんが、弘法大師は 空海ワールドともいうべき独特の教えを生み出しています。 しかも、弘法大師が得度(僧侶になる)したのは31歳! 他の祖師が子どもの頃から仏門に入っていたのとは対照的で、 他の祖師の半分の生涯で他の祖師を上回る業績を残しています! 以前にも書きましたが、弘法大師は仏教のみならず日本史に 強烈な個性を持って足跡を残しています。 ある時は、言語学者 (篆隷万大象名義という日本初の辞典の編纂者) ある時は、教育家 (綜芸種智院という入学制限のない学校を作る。 しかも学費は全額支給という超画期的なもの) ある時は、文学者 (文鏡秘府論という詩文の創作理論を取りまとめた著作。 執筆法使筆法という字の書き方の著作がある) ある時は、土木技師 (日本最大の溜池である満濃池をアーチ型にして改修) ある時は、書の達人 (平安の三筆にあげられ、五つの書体を自由に操り 唐でも「五筆和尚」の異名を授けられた) ある時は、詩人(唐の文化人を驚かせる漢文を書く) 仏教者の枠に収まりきらなかったのは、得度が遅かったことと 無関係ではないように思います。 仏教界の巨人のみならず、他のさまざまな分野で日本史に 足跡を残した天才が弘法大師です。 どうだ、まいったか!(*^^)v 人気ブログランキングに参加しています。 クリックよろしくお願いします。 ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
日本史もこうやって教えてもらえばよく理解できたのでしょうが、詰め込まれた記憶は受験と共に消え去りました。
宗教家という肩書きでは納まりきれない人だったのですね。 (2009年02月24日 21時29分00秒)
こんばんは。お大師さまはほんと偉大なスーパーマンですよね。私は28日にお会い出来るのが楽しみです。
(2009年02月24日 22時14分42秒)
弘法も筆の誤りとか 諺にまでなってますもんね
弘法大師は やっぱり水を連想します。 杖を突いたらそこからコンコンと水が… ウッ 浅い 浅すぎるワタシ~(=^‥^A あせあせ・・・ (2009年02月25日 08時41分39秒)
偉大さが強調されているためか、自分との距離感がつかめず身近に思えない。
完全性が強調されているためか、そこに至る身近な悩みがつかめず共感を持てない。 そんなこんなで意外感をもったのです。 ただ、消された歴史があり、そこが不思議感となり、共感が発生しコミュニティーが出来上がるとすれば納得もし易いのですが、ここは不明です。 (2009年02月25日 14時41分13秒)
ある時は鉱山研究家
またある時は比較宗教学者 またある時は小説家 またある時は経典注釈者 またある時は天皇の秘書室長 またある時は彫刻家 またある時はイベントのプロデューサー しかしてその実体は!? 空海の多芸は宗教者としての彼と無関係ともいえないでしょう。 はっきり言って凄すぎです。「Mr.大師号」 現代のまじめな学者さんでも空海の話題となるととたんに鬼神?を語りだしますからね。不思議な魅力です。 しかし、空海に脚光が浴びたのはつい最近のことと聞いていますが。 (2009年02月25日 15時08分13秒)
宇宙人だったかもしれない?(^^;
(2009年02月25日 16時25分13秒)
お大師様々です。
以前にもコメントさせていただいたと思いますが、 家にお大師様のお姿があり、子供の頃から朝晩手を合わせていたので、当たり前過ぎるほど当たり前にお大師様一筋なのです^^ (2009年02月26日 20時29分05秒)
kantarookaさん
>日本史もこうやって教えてもらえばよく理解できたのでしょうが、詰め込まれた記憶は受験と共に消え去りました。 >宗教家という肩書きでは納まりきれない人だったのですね。 ----- そうなんです。 それが一般にはあまり知られていないのが残念です。 (2009年02月27日 09時00分46秒)
basgaidoさん
>こんばんは。お大師さまはほんと偉大なスーパーマンですよね。私は28日にお会い出来るのが楽しみです。 ----- それは何よりです。 お大師さんにお会いできるのは幸せです。 (2009年02月27日 09時02分09秒)
いずもまりさん
>弘法も筆の誤りとか 諺にまでなってますもんね >弘法大師は やっぱり水を連想します。 >杖を突いたらそこからコンコンと水が… > >ウッ 浅い 浅すぎるワタシ~(=^‥^A あせあせ・・・ ----- 伝説は抜きにしてもかなり足跡が大きい方です。 それゆえ、伝説ができたのでしょう。 (2009年02月27日 09時05分18秒)
夢穂さん
>空海の小説を借りたら、伝記とかではなく >中国の妖怪を倒すようなものでした > >ファンタジーの世界においてもヒーローです ----- それは知りませんでした。 (2009年02月27日 09時06分22秒)
蜆汁硯海さん
>偉大さが強調されているためか、自分との距離感がつかめず身近に思えない。 >完全性が強調されているためか、そこに至る身近な悩みがつかめず共感を持てない。 それは必要ないでしょう(*^_^*) キリストにしてもマホメットにしても、身近に思えないと思いますが・・・ >そんなこんなで意外感をもったのです。 > >ただ、消された歴史があり、そこが不思議感となり、共感が発生しコミュニティーが出来上がるとすれば納得もし易いのですが、ここは不明です。 ----- 単純にすごいからすごいと考えられないのでしょうか? (2009年02月27日 09時10分07秒)
奥円さん
>またある時は比較宗教学者 >またある時は小説家 >またある時は経典注釈者 >またある時は天皇の秘書室長 >またある時はイベントのプロデューサー このあたりは私の書き込みに抜けているところですね。ありがとうございます。 >ある時は鉱山研究家 これは事実と推測されていますが、歴史には現れません。 >またある時は彫刻家 これは伝説でしょう。 >しかしてその実体は!? > >空海の多芸は宗教者としての彼と無関係ともいえないでしょう。 >はっきり言って凄すぎです。「Mr.大師号」 > >現代のまじめな学者さんでも空海の話題となるととたんに鬼神?を語りだしますからね。不思議な魅力です。 >しかし、空海に脚光が浴びたのはつい最近のことと聞いていますが。 ----- 確かに明治から昭和50年代半ばぐらいまでは、注目を浴びていないかもしれません。 その時代は原始仏教が本物の仏教ともてはやされた時代でその対極にいる弘法大師は評価されませんでした。密教ブームによって注目されてから評価が上がったかもしれません。一方で独特の教えは演繹的な手法で構築されています。それゆえ、ほとんど理解されていないと思います。 (2009年02月27日 09時18分56秒)
三人文殊さん
>それは必要ないでしょう(*^_^*) >キリストにしてもマホメットにしても、身近に思えないと思いますが・・・ 比較の視点を出されたことはすばらしい。 しかし仏教祖師の比較の問題に対し、キリスト(イエス?)やマモメットを出現させているのは深い意味がありますか? ちなみに生身の人間として捉えたとき、イエスやマホメットには、例えば女の問題であるとか身近な話題がありそうです。 >>ただ、消された歴史があり、そこが不思議感となり、共感が発生しコミュニティーが出来上がるとすれば納得もし易いのですが、ここは不明です。 >----- >単純にすごいからすごいと考えられないのでしょうか? 他の祖師との比較で「すごいからすごい」、だからコミュニティーに人が集まる、というのもひとつの答えかもしれません。 しかし、三人文殊さんもコメント欄で、「密教ブーム」を挙げられています。 (ご自身ブログ上に、すごい業績を数えておられますが)単純に「すごいからすごい」とは、三人文殊さん自身も考えておられないからではないでしょうか。 「すごい」→コミュに人が集まる。 「すごい」→共感→コミュに人が集まる。 この違いに興味を持ったのです。 (2009年02月27日 13時07分57秒)
ロコロコ~♪さん
>お大師様々です。 >以前にもコメントさせていただいたと思いますが、 >家にお大師様のお姿があり、子供の頃から朝晩手を合わせていたので、当たり前過ぎるほど当たり前にお大師様一筋なのです^^ ----- 応援ありがとうございます。 (2009年02月27日 17時41分00秒)
蜆汁硯海さん
>>それは必要ないでしょう(*^_^*) >>キリストにしてもマホメットにしても、身近に思えないと思いますが・・・ > >比較の視点を出されたことはすばらしい。 >しかし仏教祖師の比較の問題に対し、キリスト(イエス?)やマモメットを出現させているのは深い意味がありますか? >ちなみに生身の人間として捉えたとき、イエスやマホメットには、例えば女の問題であるとか身近な話題がありそうです。 身近に感じられたらその教えを信じますか? 別だと思います。 >>>ただ、消された歴史があり、そこが不思議感となり、共感が発生しコミュニティーが出来上がるとすれば納得もし易いのですが、ここは不明です。 >>----- >>単純にすごいからすごいと考えられないのでしょうか? > >他の祖師との比較で「すごいからすごい」、だからコミュニティーに人が集まる、というのもひとつの答えかもしれません。 >しかし、三人文殊さんもコメント欄で、「密教ブーム」を挙げられています。 >(ご自身ブログ上に、すごい業績を数えておられますが)単純に「すごいからすごい」とは、三人文殊さん自身も考えておられないからではないでしょうか。 >「すごい」→コミュに人が集まる。 >「すごい」→共感→コミュに人が集まる。 >この違いに興味を持ったのです。 ----- 言葉の遊びの様ですね! 弘法大師は過去の人ですから、魅力的というのは業績によるしかないでしょう。 (ちなみに、現存する池田大作などは意味もなくすごいというのもありそうです。) (2009年03月11日 20時31分13秒) |