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『番犬』
欧米人の犬への愛好はかなり強くて、もちろんそれは良いことですが、たまに作品では揶揄される対象になることもありますね。 ギブスと犬なんて、正にヒーローにピッタリだわというところですが、行き過ぎはいけません。 というか、後から考えるとうーん、という感想が残りました。 ギブスはヴァンスが休みを取れというのもきかず、出勤してきた。 マクギーらはエミリーの死とスローンの退職でギブスが弱っているのではないかと心配する。 ミサイルを運搬中の輸送車が飛び出してきた犬を避けて、事故を起こした。 積荷のミサイルが車体からずり落ちてしまい、すぐに爆発物処理班が対応するが、NCISは犬の行方を追う。 ギブスは血痕をたどり、破れたフェンスの向こうに怪我をした犬が横たわっているのを見つける。 犬は撃たれておりすぐに動物病院で手当を受けた。 獣医によると、この犬のように撃たれた犬が他にも2頭いて、いずれも死亡したという。 彼らは虐待された上で撃たれたようで、飼い主の手がかりは見つからなかった。 発見された場所が同じなので、ギブスは一人で張り込みに出かける。 翌朝マクギーがギブスを訪ねに行くと、自分は大丈夫だという。 殺された犬の共通点は9ミリ銃で撃たれたことと、蚊に刺された痕跡があるので、近くに池や湖があるのかもしれない。 ギブスはフェンスの向こう側に小さな池があるのを見つける。 ここは一人暮らしのハリソンさんの土地で、ハリソンさんは5頭の犬を飼っているという。 その池の側にトレーラーがあり、ルークという男が夜に犬を連れて釣りをするのでフェンスを作ったが、ルークは勝手に入ってきて釣りをしているという。 ギブスは池の中にケージが沈めてあるのを見つける。 中には犬の死骸があり、カッとなったギブスは出てきたルークに殴りかかり大怪我を追わせる。 マクギーらは、隣人の家を訪ねに来たところだったが、ギブスの暴挙を必死に止めて救急車を呼んだ。 被疑者としてルークのトレーラーの家宅捜索の令状は取ったが、ギブスは暴行容疑でコイル監察官に逮捕されてしまう。 ヴァンスはグレイス・コンファロン医師にルークの精神鑑定を依頼する。 それによると、ルークは犬を殺すような条件の人物には見えないが、ギブスが犯人だと確信したのなら何かあるのだろうという。 ルークはギャンブル依存症の自助グループに属しており、殺された犬がピットブルだったことから、闘犬をしているのではないか。 家宅捜索では犬に与えるステロイドを探すべきだ。 ビショップとトーレスが2種類のステロイド剤を発見し、病室のルークを訪ねると、ルークは薬は自分用だという。 さらに大金の現金があり、登録している9ミリ銃については盗まれたという。 質問を続けようとすると、そこにコイル監察官が現れ、NCISの3人の聴取をすると告げる。 ギブスはNCISから連れられた時に「真実を話せ」と言い残した。 しかし、マクギー、ビショップ、トーレスは、ギブスは無実だという作り話をしてしまう。 ヴァンスは拘束されているギブスに面会し、部下たちがギブスを守ろうとした事を話す。 面会はコイル監察官の到着で終了させられたが、ヴァンスはその場で見つけた弁護士を見つけてコイルの聴取を中断させる。 ビショップは嘘の供述をしたことを重く受け止め、せめて真犯人を捕まえなければならないという。 隣人のハリソンさんは犬を殺す人物がいると知って、証言をしないと言い出した。 ルークをステロイドの違法購入で逮捕することはできるだろう。 しかし、ケイシーが検査したところ3頭の犬からステロイドは検出されなかった。 ただ、毛が抜け落ちている部分がありさらに調べなければならないという。 ギブスが保護した犬はケイシーが「ルーシー」と名前をつけてラボで引き取っていた。 ギブスはマクギーに、なぜ嘘を付いたのかと責める。 マクギーはボスを裏切ることはできなかったというが、ギブスは犬のことを考えてつい反応した、また何度でも同じことをするだろうという。 ルークを疑うギブスは、マクギーにルークを捕らえろと指示する。 退院するルークをビショップが逮捕に向かうが、コイルがまた現れ、NCISは捜査から降りることになったと告げる。 令状で池の底をさらうと、9ミリ銃は見つからなかった代わりに、8頭のピットブルの死体が見つかったという。 マクギーは捜査に利用しようと、高性能の小型カメラを身に着けていたが、最初の現場で録画したままになっていた。 それがNCISのクラウドに自動アップされ、コイルが目にするのも時間の問題だ。 ヴァンスに報告し動画を見直したマクギーはギブスに殴られる前のルークのシャツに血がついているのを見つける。 ギブスはコイルに、真実を話す代わりに部下の嘘の証言を見逃せと取引を持ちかける。 ルークのシャツの血痕を調べたケイシーは、ルーシーの血液と一致したという。 さらに、毛が抜けているのはプールの清掃に使う消毒薬のせいで、ルークがプールの清掃の仕事をしていることから、容疑を固める。 ルークはピットブルとは別にペットとしてプードルを飼っており、SNSにその情報があったことから、首輪で居場所がわかるという。 ルークは闘犬用の犬舎から犬を逃しているところだった。 NCISとコイルが駆けつけルークを逮捕する。 数々の罪を併せて少なくとも15年の刑になるという。 ルークの飼い犬は新しい飼い主を探すことになった。 ギブスはコイルの判断で釈放され、処分はヴァンスに任されることになった。 ルーシーはギブスが引き取ったが、ヴァンスはギブスにルークに謝罪しろという。 ギブスはできないと答え、何とかギブスを助けようとしたヴァンスだったが、ギブスに無期限の停職を言い渡す。 ユージン・コイル監察官はこれまで何度か登場していましたね。 だからギブスのルールを曲げるところは知っているわけですが、これはそれとは違うぞ。 ルークへの怒りの感情に任せたというか、捜査官以前の問題ですよね。 これが通ったらヴァンスも処分を受けることになるのでは。 ギブスとしては、エミリーの死やスローンの退職で自分を失っていたとは認めないでしょうね。 首になっても、文句はないというところでしょうか。 ルーシーがあまりにギブスになついているので、マーク・ハーモンの自分の犬かと思ったら、そもそも、アビーことポーリー・ペレットが降板することになったのが、マークが飼っているピットブルがスタッフを噛んだということがきっかけではなかったっけ。 たとえ首になっても、俺は犬を守るぞと言っているかのように見えてしまって、複雑な気持ちになりました。 しかも、マクギーもビショップもトーレスも、黒を白と言ってもボスを守ると言っているわけでしょ、あ~悶々するわ。 それにしても、犬を池に沈めて殺すなんて、おぞましい。しかもそのまま。 ハリソンさん、気が付かない方がおかしいわ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>ルークへの怒りの感情に任せたというか、捜査官以前の問題ですよね。
>マークが飼っているピットブルがスタッフを噛んだ…… 大怪我でした。 その後も少したって、またマークはピットブルを撮影現場に連れてきて……ポーリー・ペレットが権威に負けず、代表して?マークに意見したら…… そうなんです。愛する犬のためにギブス@マーク・ハーモンが暴走する……アビー降板の経緯と重ねたエピソードになってしまっています。 >たとえ首になっても、俺は犬を守るぞと言っているかのように見えてしまって…… 単なる何の力もないお爺さんの行為なら……ちょっとした「正義の老害」ですが、ギブスは特別捜査官=特別な権力者だし……マークは主演かつプロデューサーの権力者なので、実害も大きいですね。 大きな喪失などで気持ちが不安定、かつ徹夜で監視……当然、休養させなければなりません。銃とバッジを振りかざす捜査官なんですから、一人で徹夜する段階でヴァンスが足を運んで休養を命じるべきなのは当然です。ヴァンスにも責任があると思います。 「無期限」はともかく、ギブスの停職は当然だし、マクギーらも何らかの処分は必要でしょう。 >ギブスはコイルの判断で釈放され、処分はヴァンスに任されることになった。 ギブスの「悪運」の強さというか……設定として……コイルの妻がrescue dog を二匹も飼う犬好き―――救助犬もrescue dogですが、同じ英語が「保護犬」を意味する、と今回 初めて知りました―――犬好きなコイル妻にギブスは救われる形でしたねぇ。 ちなみに、保護犬の里親=フォスター・ヴォランティアは……S.F.あたりのシェルターでは100人待ちになるほど、希望者が多いようです。 (September 8, 2021 10:17:08 PM)
20年近く、プライベートを犠牲にして正義のために戦ってきたギブスですが、フォーネルとの隠密行動に加え、とどめにこれですから、ギブス勇退への下地作りとも見えなくもないですが、そうはならないのかなあ。
ルークは有罪になったとしても、NCISを訴えることはできますよね。 証拠の動画もあるわけだし、それをもみ消すとは海軍の闇も深い、と逆に問題になりそうです。 ギブスがコイルに対して、なぜ上から目線で取引を提示できるのか、不思議でした。 ヴァンスが声をかけた代理人の弁護士が、意外に優秀な人で大逆転の結果を手に入れたというような展開なら面白かったかなと思います。 日本でも保護犬を育てようという動きは活発だと思いますが(NPOなど)、アメリカはその比じゃないでしょうね。 最近でこそ殺処分ゼロを目指す、などというのが当たり前になりましたが、本当に良くなっていってほしいです。 (September 9, 2021 08:37:12 AM)
うちの子宇宙一(今までのうちの子みんな宇宙一番)と飼い犬を愛で続けてきた私には衝撃の回でしたが、ギブスの対応も衝撃的でした。
エミリーのことで(スローンのこともあるか)精神的に不安定なのだとは思いますが、もっと不安定になってるはずのフォーネルを支えてあげなければならないのに、ギブス自身がこれではフォーネルを支えるの誰よ?って話です。 ルーク、ピットブルにはあんな酷いことをするのにプードルは可愛がってたんですね。 よく分からん… お金儲けのためのピットブルに愛情は必要ないということでしょうか。 結局、犬に対して愛がないのと同じ。 コイルはトニーやジヴァも調べていたことがあったような。 彼は毎回 生真面目一辺倒ですが、今回ばかりは彼が正しい気がします。 元々、NCISは復讐OKだしギブスのルール通りが基本。 時代にそぐわなくなってストーリー展開が難しくなってきたのかも。 アメリカは土佐犬がいないからピットブル? やはりマークハーモンさんの飼い犬に合わせたためか… 闘犬のイメージはボクサーやマスティフにもあるのにピットブル ポーリーさんは保護活動にとても熱心なので(インスタフォローしてます)何だか余計に複雑な気持ちでした。 切りのいいシーズン20までやりたいのかなぁ…と思ったりしますが、綺麗に幕引きした方がいい気もします。 (September 9, 2021 10:15:30 AM)
>ルーク、ピットブルにはあんな酷いことをするのにプードルは可愛がってたんですね。
まあ、理屈ではプードルはペット、ピットブルは闘犬用の商売道具ということで、悪質なブリーダーが劣悪な環境で犬を飼っているというのに匹敵するということかな。 同じ生命なので、大切に扱わなければいけませんが、しかるべき管轄の部署が対処すべきと思いますね。 闘犬は法律によって禁止されているけれど、アンダーグラウンドでは行われているかもしれない。 それをしっかり取り締まってほしいです。 そして犬に責任はないのですが、犬種は人間が目的に応じて交配を重ねて作るので、正しく飼育することが必要だと思いますね。 たとえボスの犬であっても。 (September 9, 2021 02:41:49 PM) |