|
カテゴリ:The Blacklist
ヨモギというと、お餅の緑色のやつというイメージですが、こちらはニガヨモギですね。
ニガヨモギはお酒アブサンの原料だとか、ヨハネの黙示録に出てくる星が落ちてくるやつとか、それなりにエピソードを知っているので、タイトルとしても文芸調で凝ったものだなあと思いました。 監督がディエゴ・クラテンホフだったのですね。 レッドはマイアミで、対立している2つのマフィアの和平会議の仲介役を買って出た。 サンドバル家とモンターニョ家はドミニカのコバルト、アルミニウム鉱山を所有していたが、30年前サンドバル側のミスによる事故でモンターニョ家の家長が死に、すぐに報復が行われサンドバル家の2名が殺された。 その後、両家は敵同士として対立し、レッドは鉱山の安定操業のために、その管理を申し出た。 サンドバル家の別荘でサンドバル兄弟とモンターニョ家の当主と息子が食事をしていると、飲み物を口にしたヴィセンテとレオンが急に苦しみだす。 アナフィラキシー症状のようだが、エピペンも効かず2人は命を落とす。 毒を盛られたのかと緊迫するが、レッドは心当たりがあるという。 ヨモギという殺し屋がターゲットの免疫システムに異常を起こし、僅かなアレルゲンでも命を奪うような状況をもたらす。 何がアレルゲンになるかわからない。 レッドは自分も含めこの部屋にいる者全員がヨモギの毒に晒されていると言い、この部屋で窓も開けずに待機するしかないという。 レッドはハービーをマイアミに呼び、科学捜査で毒を突き止めるようにいう。 しかしイサン・サンドバルに首を掴まれたラウル・モンターニョが苦しみだす。 ハービーによると皮膚描画症という症状で、普通では死ぬことはないという。 ハービーは食事が原因かと考え、免疫グロブリンEを大量に産出する化学物質を検出した。 それらは血圧の薬をベースにしていることから、出どころを追跡できるという。 別荘にはヴィセンテの娘ガブリエルがいて、父の死を知りショックを受ける。 室内に残された者同士で緊張状態が続くが、外気を吸おうとダビド・モンターニョが窓を開けると急変して死亡する。 ついに、部屋の中はレッドと跡目を継ぐマイケル・モンターニョとイサン・サンドバルの3人となった。 マイケルは父と出席するはずの伯父のティトが欠席することになったため、急遽代理で出席していた。 今回の食事会のシェフはレッドお気に入りのナオミで、自分自身が味見をしているので毒が入っているはずがないという。 ただ、ヴィセンテとティトが言い合いをしているのを目撃していた。 ティトはモンターニョとの和平に反対しており、デンベとマリクがティトを探し出し身柄を確保する。 ヨモギとの関係については知らないと答えるが、急に苦しみだす。 会議に出席せず食事も食べていないティトが同じような症状を見せたのは、シェフの前で激高して皿を割り手に怪我をしたからだった。 問題の毒は皿に仕込まれたようだ。 給仕は食事を出す時に手袋をしていたために、毒に侵されなかった。 そうするように指示したのはガブリエラだった。 レッドはガブリエラにヨモギをどこで雇ったのかと追及する。 ガブリエラとマイケルは恋人同士で、ロミオとジュリエットのような関係だった。 ガブリエラは和平に賛成のマイケルを家長に据えるため、殺し合いを続ける両家の父親を殺すことをいとわなかったのだった。 ガブリエラはヨモギから渡された瓶の写真を提出し、瓶の出どころがヘリオドRX社とわかると、マリクとデンベが聞き込みにいく。 マイケルはイサンに過去のわだかまりを水に流し、和平を申し入れる。 ヨモギの一件で無実だという証拠がほしいというイサンに、レッドは犯人は「愛」だと明かす。 マイケルは私達のためにやったというガブリエラに、失望の言葉を投げつける。 Dr.ハリスが開発したアドゥマークという薬品が動物実験で失敗しており、FBIの目から逃げようとしたハリスをマリクが逮捕する。 ハリスはアドゥマークについて、解毒剤はなく、24時間で自然に薬が排出させるのを待つしかないと明かす。 少なくとも後7時間は生き残った3人は検疫状態で過ごさなければならないが、レッドは用があると言って姿を消す。 レッドはアグネスのバレエの発表会に駆けつけたのだった。 レスラーがスポンサーをしているプリチャードにハドソン議員が接触し、レスラーとレディントン、エリザベス・キーンの関係について聞き出してほしいと頼む。 それはレスラーを助けることでもある。 プリチャードはレスラーに困った立場にあると打ち明け、レスラーが過去に再び薬に手を出した時のことを教えてほしいという。 レスラーが大切な存在だった女性が目の前で殺されたと答えると、プリチャードは女性の名前を聞き出す。 プリチャードはハドソンにレスラーとリズとの関係を聞いた後、リズとレディントンについても調べたという。 リズは司法長官を殺し、レディントンと逃亡した。 そんなレディントンのために働くタスクフォースにレスラーは所属している。 プリチャードはそんなことは今すぐ辞めさせなければならないという。 クーパーは命の危険を顧みず姿を消したレッドを心配する。 レッドはクーパーこそアグネスのバレエを見るべきだったという。 クーパーはあれだけ用心して生き延びてきたレッドが、なぜ突如運任せになったのかと問う。 レッドは今日一日で悪人を捕え、マフィアの数世代に及ぶ対立を解消し、アグネスのバレエを見ることができた。 誰が見ても良い一日ではないか。 レッドは人生の今この時に、世界が表す良さや美しさを思い出させるものがほしいという。 アグネスのバレエほど、自分の命をリスクにさらして良い理由など思いつかない。 ハドソンの悪魔の囁き?にあれほどレスラーに感謝していたプリチャードが乗ってしまった。 というか、真面目なプリチャードはレスラーを自分が今度は助ける番だと思ったのでしょうか。 そう、リズの悪名は今も消えることなく、レッドは重要指名手配犯のままで、信頼するレスラーはリズにたぶらかされたと思ったかな。 あるいは、自分がレスラーに騙されたと思ったかな。 せっかく断薬を頑張っているのに、これでまた薬に手を出すことがなければ良いが。 それにしてもなるほど、レッドにとって最後の敵ハドソンと上手く絡めましたね。 今回は絵面が久しぶりにゴージャスで、密室犯罪の謎の回でしたね。 対立する一族と毒というところで、ハービーが「デューンだよね」と言ったところでツボでした。 映像の方でディヴィッド・リンチのも見ましたけど(パトリック・スチュアートやブラッド・ドゥーリフが出ていたり、今思うとリンダ・ハントも出ていた)、Sci-Fiチャンネルのシリーズも見ましたけど、最新のジェイソン・モモアが出ているのはまだだったな。 若手がマイケルという「ゴッドファーザー」風の設定が、ハービーの一言でぐっと文芸色が出て、両家を説得しようとするレッドの言葉にも重みが出たように感じました。 レッドも懸案を一つ一つ片付けていくようですね。 毒薬で命が危ない状態なのに、危険を犯してアグネスのバレエを見に行く、バレエを愛でるシーンは過去にもありましたね。 女の子にバレエをさせるのはレッドの夢なんだろうな。 そして人生を達観したようなレッドの姿には一抹の寂しさを感じ、クーパーとの会話は胸に迫るものがありました。 ジェームズ・スペイダーの存在感が際立つ、それもディエゴの演出だったのでしょうね。 追加。 ウィーチャはまあわかるとして、クーパーに無断侵入されるレッドのセキュリティって。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[The Blacklist] カテゴリの最新記事
|