カテゴリ:政治・経済・社会・文化
クロニクル 防衛費対GNP比1%を突破
1986(昭和61)年12月30日 この日開かれた臨時閣議で、政府は62年度予算原案を 閣議決定したのですが、そこでの注目点は、防衛費が GNPの1%枠を超える1.004%となったことでした。 膨張する防衛予算にどこで歯止めをかけるかは、当時の 世相の中では、大きな国民的関心を集めており、 1976年に当時の三木内閣は、防衛費の歯止めをGNPの 1%を超えない範囲とすることを閣議決定し、それを 内外に発表したのでした。当時の日本経済は第1次オイル ショックからの回復過程にあり、GNPが増える範囲での 防衛費の伸びは可能なわけですから、厳格な防衛費の緊縮 予算とは趣が違うのですが、ともかく政府自らが目安を 発表したこと自体が評価されたのでした。 中曽根内閣はこの三木内閣の精神を踏みにじり、GNP比 1%枠の突破に全神経を集中したのでした。 ここに、「日本は将来ともに、軍事大国にはならない」という 「平和の国日本」の国民的合意のシンボルは、突き崩された のです。 戦後も41年が経過し、戦争の記憶を持たない世代が圧倒的に なる中、政界を取り巻く空気も大きく変わりつつあることを 明かにした一齣でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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