カテゴリ:日本経済
バブルを考える(89)
債権放棄を巡って…その4 熊谷組 (2) 熊谷組はその後2度減資を行いましたが、現在も低迷を続けています。1度目は01年3月に、減資と同時に第3者割当増資を実行して、資本の質を改善しようとしたのですが、相変わらず赤字が続き、03年8月に5分の1に減資したのです。 03年はりそな銀行への公的資金投入を受けて、4月に株式市場が大底を打ち、景気の回復軌道も次第に鮮明になり、株式市場に明るさが戻った時期でした。しかい、熊谷組の株価は低迷を続け、現在も100円台をさまよっています。5分の1に減資しているのですから、01年の増資に応じた熊谷組のスポンサー(多くはメーン及び準メーンの金融機関)にとって、多くの含み損が発生している勘定になります。 熊谷組に限らず、多くの中堅ゼネコンの株価は、業績不振の実態を見事に示し、低空飛行を続けています。企業の過剰、大幅な整理淘汰が必要なことは、目に見えています。にもかかわらず、一向に整理の進む気配は見えない。中央・地方の政・官界が絡んだ利権構造が大きく影響しているからだろうと、類推していますが、何とも歯がゆいことですね。 ゼメコンの過剰状態の存続と財政状況の改善の遅れの間には、深い繋がりがあります。この関係はどこかで断ち切る必要があることも理解されています。しかし、選挙が危なくなると、財政状況の悪さを棚にあげて、またぞろ地方へのバラマキ、それも決まって道路と新幹線というワンパターンが繰り返されます。 だいたいが本州と四国の間に3本もの架橋があることからして、政治の節度ののなさを示す、滑稽きわまりない出来事であり、中央・地方の政治家や役人の無能振りを示しています。彼等はそのことを十分理解しているのでしょうか。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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