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白山菊理姫

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2005.02.20
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カテゴリ:不思議な世界
アトランティスの記憶3

二人の訪問者が明かしたいきさつは、にわかには信じられないような話だった。それは次のようなものだ。

二人は来日する一年ほど前にエジプトへ行ったときに、まったく思いがけなくエジプトの神官と名乗る人物に出会った。その神官は二人に歩み寄ってきて、手に持った不思議な石を見せながらこう言った。「この石は6000年も昔からエジプトの神官が受け継いできたものだ。あなた方は近いうちに日本に行き、必ずこの石の持ち主に会うことになっている。これをその人に渡してください」。そして神官は、その石を二人に手渡した。

二人は驚いた。そのときは別に日本に行く予定もなかったし、誰だかわからない人間に一体どうやって石を手渡したらいいのか見当もつかなかった。だが、その神官が「石の持ち主は必ずわかる」と言い張るので、石を預かったという。

そうしたら本当に、仕事の都合で日本に行くことになり、二人は何かに導かれるようにして正木和三にめぐり合った。そして会った瞬間、直感的に「この人が持ち主だ」と思ったという。

その石は何なのだろうか。エジプトの神官は6000年前から受け継いで来たと言ったほかは、石について詳しくは教えなかった。そのため正木も、その石を手渡した二人も、何の石なのか知る由もなかった。

ところが、その後間もなく、さらに驚くべきことが起きた。正木和三がその石の話を講演会で話したところ、参加者の一人が突然、感極まって泣き出したのだ。

その人は女性で、正木が「どうしたのかな」と訝っていると、その女性はにわかに、周りの人が誰も理解できないような言語で正木に向かって喋りだした。

その場にいた誰もが、それまで聞いたこともないような言語だった。そう誰も・・・。正木以外は。

不思議なことに、正木にはその言葉の意味がはっきりとわかったのだ。正木もつられるように無我夢中で同じ言語をしゃべりはじめた。もちろんそのときまで、正木はそのような言語を聞いたこともなければ、話したこともなかった。同時に頭の中では、その言葉を完璧に理解していた。

周りの人は皆、唖然とするしかなかった。正木が後に解説するには、女性はその石がアトランティスの神官が持っていた聖なる石で、正木がその神官だったとアトランティスの言葉で話したのだという。そしておよそ1万年以上の時が過ぎ去り、神官の石は巡り巡ってかつての持ち主である正木の手元に返ってきた。実はこのように玉が持ち主に戻ることを「完璧」というのだ、と正木は言う。

(続く)=文中敬称略





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最終更新日  2005.02.20 12:51:27
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