カテゴリーVU 三滝ダム
「四国の仙人」から写真とコメントが届いたので掲載します。 鳥取県芦津渓谷の近くに、土木遺産・三滝(みたき)ダムがある。標高737mの高地に昭和12年に完成した堤高23.8mのバットレスダム。日本では扶壁式ダムとも呼ばれる。水圧を受ける楯となる遮水壁が鉄筋コンクリート製。この垂直な壁を複数の扶壁で支えるのだ。 国内に約2900あるダムの中で、バットレスダムは6ダムしか現存しない希少な形式。大量の人出を必要とするため、このようなダムを造らなくなった。2002年度に土木学会推奨の土木遺産に認定される。ダムの目的は発電で、直下流に芦津発電所(出力2600kw、有効落差189m)がある。 自然保護界には「レッドリスト」がある。レッドとは警告の意味。7カテゴリー(XE、EW、CR+EN、VU、NT、DD、LP)に区分されている。三滝ダムの保存を願い、VU(Vulnerable、絶滅危惧2類)としたい気持ちである。 芦津発電所は、75年間現役で稼働している。その出力は、メガソーラー発電の数倍である。昨年発電を開始した「メガソーラーいいだ」が1000kw規模。中部電力と飯田市とが建設したもので、敷地面積が1.8ヘクタール必要とした。これからも三滝ダムが電力を溜め続けることを願う・・。 写真-1 三滝ダムの放流。日本最後のバットレスダム。堤高23.8m。2012年4月24日撮影写真-2 左岸側の洪水吐きから迸る水流。四国電力の発電ダムで、有効貯水量158,000m3写真-3 14年前の三滝ダムの下流・扶壁状況。森の中に突如現れたビルのようだった。写真-4 「メガソーラーいいだ」の全景。出力1000kw×敷地面積1.8ha。[中部電力プレスリリース]。