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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2018.09.10
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カテゴリ:東日本大震災

続けて、80代と70代後半のご夫妻のご自宅を訪問させて頂きました。
本当に丁寧に綺麗に手入れされた立派な庭がある広い敷地、農機具をしまう倉庫があって、何より目の前に広がる田んぼ(稲ではなく雑草が茂っていましたが)を見て、農家の方だなということがすぐに分かりました。
ご自宅に入るとすぐに「まあ、こんな若い人が沢山きて、もうばっちゃん、嬉しいよう、良く来てくれたね。ほらほら、あっちに漬け物あるしお菓子もあるし、あがんなさい、あがんなさい」と満面の笑みのおばあちゃまが、出迎えて下さいました。

テーブルの上には、溢れんばかりのお菓子、お漬け物、蜜柑。
学生達6人、まちづくり公社の方2人、私の9人でお邪魔しましたが、十分皆が座れるくらいのスペースがありました。

この人の笑顔を見たら誰でも安心して、辛い気持ちも悲しい気持ちも溶かされてしまうんじゃないかと思うような人を惹き付ける笑顔ととまらない楽しいおしゃべり、ああ、私も相馬時代、こんな優しく暖かなおじいさま、おばあさまにの存在に、心から癒やされていた瞬間があった、と懐かしい懐かしい方言を聴きながら、思い返しました。

現在はご夫婦お二人暮らしで、元々同居されていたご長男のご一家は、福島県内に避難されているそうです。親戚も皆浜通りで、避難した人も避難していない人もいて、とにかく家族仲良し、親戚同士もしょっちゅう行き来があるとても賑やかなご一族だったようです。

今日は、はあ、みんな、良く来てくれたねえ。さあさ、お茶飲みなさい、その漬け物は、ばあちゃん漬けたから、うまいからな。
うちの孫は、ばあちゃん作るもの大好きでさ、この間、一番好きなの何って聞いたのよ。ほしたら、ポテトチップスだって。スライサーで薄く切って揚げてな、新聞紙の上で塩をざっざっと混ぜるのよ(新聞紙毎揺する手つき)、美味しいんだって。煮物も美味しいって。おでんも、何度も何度も煮返すのよ。そしたら、セブンイレブンで売っているみたいな美味しいおでんができるんだわ。
嬉しくなっちゃうよねえ。

復興、復興っていうけど、私はね、スーパー作るの、医者呼んでくるだの、それはもう外部の人にやってもらえば良いって思うのよ。大事なのは、家族。家族を呼び戻すことだよ。ばあちゃんにとっては、復興は家族の復興。

うちの家族はね、うんと仲良し。家族で大事なことは4つだけ。嘘つかない、隠し事しない、ありがとう、ごめんなさい。な?それだけでいいんだ。私、孫とも、そりゃあ仲いいよ。嵐の話で盛り上がんのよ。この間来てくれたときも遅くまで話したっけ。もう尽きないもの、なんぼでもあるよ、しゃべること。

避難中も家族いないとばあちゃん死ぬところだったな。福島市でマンション入ってたの。一日なんもすることないんだ。近所の人ともおはようございます、とか挨拶だけ。最初にね、挨拶回りに行ったの、浪江から来ましたってね。ほしたら、「浪江から来たの、一杯お金もらえたんでしょ」って言われてもう怖くなって駄目ね。美容院でも言われたもの。お金もらえてよかったねじゃないよ、お金もらっても、何もないんだよって言い返したいけど、そんなこと言えないもんね。

それからね、もうおしっこでなくなってねえ。いつも袋ぶら下げて歩くようになったの。大きな病院さいったら、もうずっとそのままだって言われて。でもなんか、流れ作業なんだよ、診察が。そしたらあちこち、じいちゃんが調べてくれて、良い泌尿器科の先生に会えてね、治ったんだよ。薬ちゃんと飲んでね。大きい病院が良い病院って限らないね。

でも、うつは酷かった。本当に死にたくなるんだよ。毎日死にたいってことしか考えられねえんだね。あれは、ホントひどかった。あのときね、お嫁さんが、優しくて優しくてねえ、お嫁さんがいたから助かった。じいちゃんがいて、お嫁さんがいたから頑張れた。

何回浪江に帰ったか?月、水、金よ。週三回。70キロじいちゃんに運転してもらってね。大変だけど、だって、ねえ。ばあちゃん、大熊生まれで22歳で浪江に来て、ずっとここだもん。ここしか知らないから、そりゃあなんぼでも見に来るよ、家だもん。自分の家だから当たり前さ。

私たちは、ひどい思いしたけど、でも、こうやって税金で家も建ててもらった。良かった気持ち少し、でも、税金使わせてもらっているって負い目も8割。今、テレビ見てても、北海道の地震見ててもさ、もうかわいそうでかわいそうで、あの人達、家なくして今夜からどうするんだべって、ねえ、かわいそうだよね(目が涙で一杯)。

この辺は、戻るとして5~6軒だね。みんな、避難先で、家建てたり、仕事あったりさ。子どもを学校通わせたりだから。無理でしょう。でも、向かいのばあちゃんも戻ってきたし、今度は隣が戻ってくるって。おいでおいでって、楽しみだよね。

津波で家から海が見えるようになって、朝日が、ほんと綺麗。
見せてあげたいくらいだよう。あんたたちみたいな若い人に住んで欲しいねえ。
またいつでも寄りなよ。泊めてやっからね。前は12人まで泊まれたけど、今は布団が4組しかないから先着4名な。

眼差し、笑顔、佇まい。すべてが、お日様が洋服を着ているようなぽかぽかした安心感、安堵感を感じさせる素敵な奥様でした。深い痛みを知っている人が持つ、底知れぬ優しさを感じました。
傍らで、言葉少なに相槌を打つおじいさまとのバランスも素敵で、皆で、「こんなおじいちゃん、おばあちゃんになりたいね」と言いながら、いつまでも手を振って、名残惜しい気持ち一杯で、おいとましました。

今日会った方、どの方も、お年は召されているけど、多趣味でお元気で、そして、故郷と我が家を心から愛しく思っておられて、ああ、ご自宅に帰れて本当に良かったな・・と心の底から、思いました。

勿論、帰還後の前途は多難で、辛いこと、やるせないこと、悲しいこと、想像しきれないほど沢山あるでしょうし、個人の心持ちでは到底解決できない課題の方が圧倒的に多いのは分かっています。
そして、その課題を冷静に分析したり、どう克服していくかを考えなければいけないことも、分かっています。

でも、今日だけは、私、帰りたくて帰りたくてたまらなかった方々が、大切な故郷に、大切なご自宅に帰れたことを、心から、「我がこと」として、喜びたいと思いました。その想いに浸らせてほしいと思いました。
色々なことを考えてしまう前に、私は、どうしてもこの気持ちを書き留めておきたい。

どうかずっと平穏にお元気に日々を重ねていかれますように。心から祈っています。
また是非寄らせて頂きたいと思います。

次の記事に続きます。
https://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201809100002/






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Last updated  2018.09.11 15:08:53
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