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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2019.11.06
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カテゴリ:留学
​​​以前ご紹介したトランプ大統領の税金記録の開示を巡る裁判(下記記事です)、先日、地裁判断のご報告をしましたが、昨日11/5のNY timesに、連邦高裁の決定が出た旨のニュースがありました!

https://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201910170000/

結論は、地裁と同じ、開示を命じる内容で、大統領側は、直ちに連邦最高裁に上訴、最高裁の結果が出るのが来年の7月頃の見込みだとのことです。

結論は同じでも理由付けが違います。
地裁は、真正面から法の支配を説いたのに対し、高裁は、「大統領の会計会社が書類の提出を要求されているのであって、大統領自身に要求されているわけではない、従って、高裁が、大統領の免責特権の範囲等につき判断する必要はない」旨述べ、会計会社は議会の要求に従うべきだという判断を示しました。
高裁が判断の射程を狭く絞ったことで、最高裁でもおそらくこの結論が維持されるのではないかとNY timesは分析しています。

司法と行政が全面対決となる争点を敢えて避けて、上訴を見越して焦点を狭く絞る、非常にスマートな、もっと言えば老獪な判断だと思います。さすが連邦高裁、頭良いなあ!とか思ってしまいました!

ただ、影の争点が、大統領の免責特権の範囲がどこまで及ぶかという点にあることは、当事者全員、強く認識しており、判決文には、"there is no obvious reason why a state could not begin to investigate a president during his term"等、高裁の考えが色濃く反映されている記載があるようです。

また、法廷においても、下記の通り、非常に鋭いやり取りが展開されたようです。

 During the arguments, the president's immunity claim seemed to crystallize when Judge Chin cited an audacious statement Mr.Trump once made-that he could stand on Fifth Avenue and shoot somebody,without being hurt politically."
 Judge Chin asked Mr.Consovoy about the potential effect of the president's immunity claim in such a hypothetical situation. "Local authorities couldn't investigate?" Judge Chin asked, adding: "Nothing could be done? That's your position?"
 " That is correct. That is correct," Mr. Consovoy said.

この手続きを通して、大統領の免責特権に関する主張が、Chin裁判官が、トランプ氏がかつて述べていた大胆な主張、「仮に私が五番街で誰かを撃っても、何の責任も問われない」を引用して質問したことでクリアになったようだ。
Chins裁判官は、(トランプ氏の代理人である)Consovoy氏に対し、そのような仮定の状況における大統領の免責特権の潜在的効果につき、次のように尋ねた。「地域当局は、その事件につき、調査もできないのか?何もできないということか?それがあなたの立場か?」Consovoy氏は、「その通り、まったくその通りです」と答えた。

アメリカの司法の記事は本当に興味深いです!
不謹慎ですが、トランプ大統領時代にアメリカにいられて良かったとか思ってしまいます。
日々が、アメリカの司法の役割を色々と考えさせられる材料に満ちています。​​​​​​​​​​​





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Last updated  2019.11.06 20:26:32



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