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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2022.09.23
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カテゴリ:留学
伊藤啓太弁護士のイリノイ通信Vol.3です。​Vol.1​、​Vol.2​の続きです。
UIUCに残って研究者にならないかと誘われたというお話には驚きますが、それだけ、伊藤さんの研究テーマと研究姿勢が素晴らしいのだと思います!アメリカでも絶対ウケる研究だと思っていましたが、やはりでした!



                    イリノイ便りVol.3
令和4年5月31日
           
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 客員研究員 伊 藤 啓 太
●研究生活

研究テーマとしては,当初はアメリカ・インディアンとアイヌの権利の現状を比較することを想定していましたが,前回ご報告した通り,現在は自由権規約上の先住民族の権利について研究を進めています。目下の課題は,自由権規約委員会において,これまでの先住民族の権利が問題となった個人通報処理事案に際して,委員会がどのような基準を用いて規約違反の有無を判断してきたかという点です。マニアックに聞こえると思いますが,個人的には重要な点だと考えています。

また,私が弁護団員として参加している現在進行中のアイヌさけ捕獲権確認訴訟において,今年の10月に弁護団でニューヨークに赴き,国連本部で開催される自由権規約委員会の日本への審査を弁護団で傍聴するとともに,訴訟のPR活動をすることが検討されています。実現しましたら,多少なりともその場で研究の知識を活かせるようにしたいです。秋までには研究論文を完成させたいと考えています。完成次第,アメリカ・インディアンに関する研究に着手します。
 
●大学生活

前回のご報告後,ロースクールのJacob Sharkow教授から私の研究に関心があるとのご連絡をいただきお会いしました。Sharkow教授は生物資源等に関する知的財産法をご専門にされています。
私から自分の研究をご説明すると,教授からは,驚くことにイリノイ大学でアメリカン・インディアン法の研究者になる気はないのかといわれました。日本でアイヌの権利を研究する学者が少ないのと同様にアメリカでもインディアン法の研究者は非常に少ないようです。ロースクールではLaurie Reynolds教授がかつてインディアン法を研究されていましたが20年ほど前に中断してしまい,それ以降研究者はいないということでした。重要な法分野であるにもかかわらず研究者がいなくて困っているそうです。

私からは,一旦は帰国して普通の弁護士に戻る予定とお伝えしたところ,がっかりされていて申し訳なく思いました。ただ先住民族の問題に関心があるというだけで,そもそもアメリカ人でもなく,また何らの実績がなく,教授からみれば得体の知れないであろう私にまで,そのようなお話をされるということは,インディアン法の分野も人材不足がよほど深刻なのだろうと感じました。

日本のアイヌ研究よりはましだろうと思っていましたが意外でした。日本でも先住民族の研究をする学者が少ないことが弁護団を悩ませているとお伝えしたら教授はその点は大いに共感してくださいました。教授とは今後も連絡を取り合おうとお話ししてお別れしました。
硬い話はこの程度にして,大学外での生活の話題に移ろうか思います。

●シカゴ旅行 

・1日目 
2月末にイリノイ大学の日本人関係者の方や他の客員研究員とともにシカゴに観光旅行をしました。私の住むシャンペーンという町はシカゴまで車で2時間30分ほどの距離です。旅行の主な目的はシカゴ交響楽団がベートーヴェンの交響曲第9番を演奏するコンサートを聞きに行くことでした。早朝にシャンペーンを出発し,シカゴに近づき高層建築群を見たときは久しぶりに大都会に来たと感じました。シカゴ市自体の人口は約270万人ですが,都市圏の人口は1000万人近くになります。 

到着して昼食をとった後,高層ビル群のうちジョン・ハンコックセンターというビルの最上階95階にあるバーで,お酒を飲みながらシカゴの眺めを楽しみました。窓際の席を通され,眺望という点では最高の位置でしたが,高所恐怖症ではない私も下を見ると少し足が震えました。 

夜のコンサートに備え,早めの夕食を日本食のレストラン(味噌汁の美味しさに感動しました。)でとり,メインのシカゴ交響楽団のコンサートの時間になりました。

シカゴ交響楽団は世界的にも有名なオーケストラのようです。当時はロシアによるウクライナ侵攻が始まったばかりの時期だったこともあり,指揮者のリカルド・ムーティが演奏前の挨拶で「プーチン氏はウクライナの人々の尊厳のために軍をすぐに撤退させなさい。」という旨述べたところ,ホールは拍手喝采に包まれていました。座席は最後方の末席で,また何年かぶりに聞いた第9でしたが,やはりヨーロッパのクラシック音楽の壮大さを感じました。 

コンサートが終わり,他のメンバーは日帰りでシャンペーンに戻り,私は翌日もシカゴで散策するため予約したホテルに向かい,お別れになりました。 

・2日目 
一人になった私は翌日,シカゴ美術館と,アメリカ・インディアンの展示が充実し,かねてから行きたいと思っていたフィールド博物館を訪問しました。美術館の方は大満足でしたが,フィールド博物館の方は,数多の展示のうちインディアン関係の展示だけが閉鎖中という相変わらずの運の細さを露呈しました。他の展示を見ると,北米大陸の古代からの動植物の展示が中心となっており,動植物に造詣の深い旭川会の市川先生ご夫妻であれば展示の価値を理解されるのだろうと思いながら,博物館を後にしました。次回シカゴに来るときにリベンジするつもりです。 

●日常生活 
3月初めに大学のあるシャンペーン市を離れる日本人の方から自動車を譲り受けました。その方がシカゴ郊外のオヘア空港から帰国されるとのことでしたので,空港付近まで行って引き渡しを受けました。その足で私が車でシャンペーンまで帰ることになりました。シカゴ近郊の道路は片側5車線ということもざらにあり,多くの車が車間距離を十分にとらず,またやたらと車線変更します。さらに,日本とは異なり右側通行のため,最初のうちは,運転は緊張の連続でした。 

車を引き取りにわざわざシカゴの近くまで行っていいと思ったのはオヘア空港の近くにあるミツワマーケットプレイスという主に日本製品を扱う店舗に行くためでした。行ってみると,紀伊國屋書店が併設されており,またスーパーではあらゆる日本の食材が(日本の3倍の値段で)手に入ります。店内には,いくつかの日本食レストランも並び,旭川のラーメン店「山頭火」が出店していましたので懐かしくなり入ってみました。明らかに日本人とわかる店員が注文を聞きにきたので,日本語で「みそラーメンください。」と言ったら英語で「What size?(大きさは?)」と真顔で聞かれてしまいました。これほど日本を感じさせる場所でも郷に入っては郷に従えでした。ラーメンは日本で食べるのとほぼ変わらない完成度でした。また,スーパーで買って自宅に帰って食べた好物のめかぶとろろは格別の美味しさでした。

車のことに話を戻すと,アメリカでは中古車の価格が高く日本のように10年落ちだからといって価値がなくなることは基本的にありません。もし日本も市場も同様になれば自家用車を持つ人の自己破産は,大半が管財事件になってしまいます。私もかなり高額をはたいて車を買いましたが,その分売るときの価格も高くなるのでそれほど大損はしなくて済むはずです。また,車を入手してからは,シャンペーンでも今までバスを乗り継いで1時間もかけて行っていた郊外の大型店舗にものの数分で行けるようになりました。

半年ほど住んでやっとわかりましたが,こちらの物価としてはインフレの影響を踏まえても,総じて日本の2倍程度になります。ライフラインのみ日本より安い印象です。そのため,また,自動車購入で大金を支払ったこともあり,口座残高が想定外のスピードで減少しています。釧路会の皆様からのご支援のおかげで何とか持ちこたえていますが,さらに節約に努めます。 

また,新型コロナの状況は,日本でも同様かと思いますが,オミクロン株の流行が終わった後はこちらでもかなり落ち着いてきています。大学でも学外でもマスク着用が義務になる場面はほぼなくなりました。しかし,4月になると,こちらでは花粉の飛散が始まり,花粉症の私はしばらくの間マスクを付けたままでした。北海道は花粉が少ないので自分が花粉症であること自体を忘れていました。また一つ北海道のいいところに気づかされました。

●教会に行く

私はキリスト教徒ではないのですが,毎週教会に通うという大学の友人から誘われたので教会に行ってみました。牧師さんの講話を聴いた後の休憩時間になって私は他の参加者の皆さんから質問責めに会いました。最初はみなさん私の話を好意的に聞いてくれましたが,私が「日本で弁護士をしています。」と言った途端,なぜかみんながっかりした様子になり,「礼拝堂に戻りましょう」と私の下を去っていきました。

そのことが気になり,友人に帰りに車で送ってもらう際にみんながっかりしてたねと聞いてみると,大笑いになって「No,No!」と否定しました。納得のいかない私が,「いや,みんながっかりしていた。なぜだ?弁護士は神の掟に反するのか。」などと聞くと,さらに声を上げて笑いだしてしまいした。追い込みをかけようかと思いましたが,笑いすぎで運転に支障が出ては困るのでやめておきました。事の真相は結局わかりませんでしたが,あれほど笑うということは何か背景がありそうです。また,狙ったわけではありませんでしたが,英語であれほど他人を笑わせたのは初めてでした。勉強になると同時に不思議な一日でした。
●英会話教室

前回のご報告にも書きましたが,今年1月より近所のESL(English as Second Language≒第二言語としての英語)という英会話教室に通っていましたが,5月の春学期終了と共に修了することができました。6月からは大学が運営する英会話学校に通う予定です。ESLでは,移民としてアメリカに来てウォールマートで働き始めたばかりの人とか子供を養うためにいくつも掛け持ちのバイトをしながら教室に通う人など,大学では出会えないような方々と交流できました。また,授業では英語の基礎だけでなく,アメリカ社会の基本的な仕組みも教わり,大変勉強になりました。

クラスメイトの中で私が気にしていたのはベトナムから生徒です。彼は英語のリーディングやライティングはよくできるのですが,スピーキングでは明らかに間違った発音をします。しかし,私には彼の英語が聞き取れました。というのも彼の英語はローマ字の発音に近いからです。教室では彼の英語を私がさらに訳して講師や他の生徒に伝えていました。聞くとベトナムの学校の英語教師の多くは英語をしっかり話せないそうです。私からそれは日本の学校も同じだと伝えると納得していました。この事実はスペイン語圏やドイツ語圏から来る人達にはわからないと思います。彼は将来的にはシャンペーンで喫茶店を経営したいそうです。がんばってほしいです。
  
続きは、​こちら​です。





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Last updated  2022.09.23 12:19:52



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