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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話47 あわたの橋ぐい
[あわたの橋ぐい] [参考:能登の民話伝説より] むかしむかし、七尾に「あわた」という村がありました。毎年、近くの川が氾濫し、田んぼも畑も水びたしになるので大変困っていました。村人たちは何度も相談していましたがなかなかいい案が浮かびません。その時一人の男が立ち上がってこう言いました。 「川の神を鎮めるにゃ、やっぱり人柱を出すしか無いやろ。」 「妙案だがの。一体誰がなるんかい。」 みんなはいっせいに黙ってしまいました。その後いく人かが意見を出しましたが、誰も死ぬのは嫌に決まっています。やがて村人は、こんなことは言い出した者しかいないとその男に迫りました。その男は言い出した手前簡単に断るわけにいきません。家族のことを思い悩みましたが、自分の身一つでこの村を助けることができるのならと承諾したのです。 それを聞いて、その男の家族はひどく悲しみました。しかし、村人全員がもう決めたことです。逆らったら村には住めません。やがて橋げたのクイにくくられて沈んでゆく父親を泣きながら見送りました。 やがて数年がたち、その家族の娘がお嫁に行くことになりました。娘が家を出る時、母親は涙をためながらこう言って送り出しました。 「向こうに行っても何でもしゃべるんじやないよ。お父様のようになるからね。」 娘は黙ってうなづきました。その娘は普段から口数が少なかったのですが、お父さんが亡くなるのを見てから、悲しみのあまり、ますます無口になっていました。 そうして嫁ぎ先で新しい生活を始めましたが、娘はほとんどしゃべりません。夫が何か相談事を話しても、ただ黙ってうなずくだけ。夫はなんとかしゃべらせたいと工夫をしても、下を向いているばかり。そのうち夫はあきれて怒ってしまいました。 「口の聞けない嫁をもらった覚えはないぞ。とっとと実家に帰れ。」 とうとう召使いが娘をかごに乗せ、送り返してしまうことになりました。 途中山道にさしかかった時のこと、一羽のキジがケーンケーンと鳴いてバタバタと山陰を飛び上がっていきました。と、すぐあとドーンと鉄砲の音がしてキジは谷間の方へ落ちて行きました。 その時、黙ってカゴに揺られていた娘が、突然涙を流し、こういう歌を口にしたのです。 「わが父は、あわたの川の橋ぐいに、キジも鳴かずば撃たれぬものを。」 召使いたちは、ああ、村のために死んだあの父の娘かと知って、みな涙を流し、きた道をまた戻って行ったそうです。 (文責:津幡町 吉田恵一) [石川県昔話 目次] 矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けトップをご覧ください。 (グーグルマップ)→ 石川県七尾市 田鶴浜町 □□七尾市田鶴浜町宿泊施設□□ 田鶴浜町の宿をご紹介します。和倉温泉からも5、6kmです。 →民宿つるや....安価な人気宿 ペットOK →[和倉温泉(1) (2) (3)] ☆☆☆ 石川県 旅館 ホテルご紹介☆☆☆ [金沢駅前] [金沢繁華街・中心街・郊外] [河北郡] [七尾市] [鳳珠郡能登町] [能登町 農家民宿] [珠洲市] [輪島市 (1) (2)] [羽咋郡] [羽咋市] [白山市] [小松市] [加賀市] どうぞ きまっし石川→ホームへ戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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なんか考えちゃいましたね~f^^
余計なことは話さない。 ・・・私はこのタイプです。口が堅いと信用はあると思うけど悪くいうと腹割って話さないという風にもとられます「笑」 (2011.10.22 21:15:48)
軽口は後悔のもとですね・・・
最近は感謝とポジティブな言葉を口にする様に 特に心がけています(*´ω`*) そうすれば、自然と笑っていられますものね♪ (2011.10.23 01:10:56)
こんにちは。
昔は日本以外の国でもよく行われたそうですね。 これで本当に氾濫は無くなったのでしょうか、 変わらなかったとすれば無駄死にですね。 私は人に話す時は余計な事は言わないようにして いますが、ブログには本心を全て書くことにしています。 (2011.10.23 12:40:13) |