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バス停地名学のすすめ

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2008.01.15
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カテゴリ:文京区
(前回からのつづき)

ほとんど傾斜を感じない菊坂を歩き始めると、まずは菊坂名所のひとつ、旧伊勢屋質店の土蔵が左手に見えてきます。この少し先の路地の奥が樋口一葉の旧居跡ですが、伊勢屋質店は生計の困窮した一葉が度々足を運んだ店として知られ、質店としては昭和57年に廃業しているものの、明治期に改築されたという店舗部分は往時の面影そのままに健在で、奥の座敷部分も含め、東京の貴重な建築遺産として保存されています。

その少し先に、菊坂から一葉旧居跡への路地へ下りる階段坂がありますが、その斜面に建つ木造三階建て住宅も重厚な存在感に満ちています。第52回「本郷追分」の項でご紹介した本郷館の迫力を思い起こさせますが、こうした建築物がごくあたり前のように街並みの一端を担っているところが、菊坂らしさといえるでしょう。一葉旧居跡でも同様の木造建築が路地奥の雰囲気を圧倒的に支配していますが、そこには一葉も使ったであろう掘抜きの井戸も健在です。

菊坂中腹から北へ上る坂は、梨木坂です。単に梨坂ともいいますが、江戸時代初期の頃『紫の一本』を著した戸田茂睡の庵がこの坂にあり、大きな山梨の木があったとのこと。坂を上っていくと、有形文化財の指定も受けた木造旅館の鳳明館が左手に見えてきます。その鳳明館から、かつて台町と呼ばれた高台の住宅地を歩いていると、菊坂を見下ろす崖上のようなところに「本郷菊富士ホテルの跡」と刻まれた石碑が立っています。谷崎潤一郎をはじめ、多くの文士が投宿したことで知られるこのホテルは、かつての菊坂の象徴ともいえる存在でしたが、戦災で惜しくも廃業。振袖火事こと明暦の大火の火元となった本妙寺の跡地も、このあたりです。

坂へ戻ると、コロッケを揚げるいい香りが漂ってきました。まるや肉店の菊坂コロッケです。散歩のひと休みにはもってこいの一品です。

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最終更新日  2008.01.15 09:42:58
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