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テーマ:気になったニュース(30361)
カテゴリ:プレスリリース
ちょっと古い話ですが、アメリカの統計学会の声明が変に使われているのが気になったので、ご紹介。
AMERICAN STATISTICAL ASSOCIATION RELEASES STATEMENT ON STATISTICAL SIGNIFICANCE AND P-VALUES Provides Principles to Improve the Conduct and Interpretation of Quantitative Science https://www.amstat.org/newsroom/pressreleases/P-ValueStatement.pdf The ASA's statement on p-values: context, process, and purpose http://amstat.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00031305.2016.1154108
医学統計学の学会に数理統計の専門家が入ってくるとモデルの問題でよくもめます。 少なくとも日本の医療統計学者で「第Ⅲ相試験で統計学的な有意差が取れないと厚生労働省に承認されない」と思っている人はほとんどないと思います。 第Ⅲ相試験で有効性・安全性を含めて、薬剤として有用性が認められるためにどのようなデータを収集して、どれぐらい自分たちの立てた仮説が正しく、それに対する医療上の有用性があるかどうかを確認するために統計学を用いているので、道具としては参考とするが、最終的に申請資料として適した臨床試験であるかは結果の統計処理だけで行うものではありません。 例えば、Aという薬剤は20%程度の副作用がでて、これが患者さんの治療に大きく影響する事が分かったとします。ではその副作用を抑える薬を開発するとして、どれぐらい副作用を抑制すれば臨床的に意味があるのかという仮説をたてて、その仮説を証明するためにはどれぐらいの規模の臨床試験を行う必要があるかを考える事になります。 副作用を抑えることを統計学的に証明して薬にすることに本当に意義があるかという薬剤は確かにあります。 有効性・安全性の臨床試験をすることで、効果がないことがばれるのを恐れて、高額な自費治療で治った人だけを宣伝しているお医者さんもいます。その人たちにアメリカ統計学会が「Scientific conclusions and business or policy decisions should not be based only on whether a p-value passes a specific threshold.」と言っているので、自分たちの方針は正しいとは言われたくない気分です。 因果関係に関しては統計学はその因果関係を精査するためのとっかかりにすぎないと思っています。 生データを自分で確かめた上、統計の先生の出してきた結果をレビューして、別の見方ができるのでは内科と考えるのが創薬のPMの仕事の一つと私は思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月28日 12時09分44秒
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