1143142 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

アラ還の独り言

アラ還の独り言

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2020年09月28日
XML
カテゴリ:プレスリリース
富士フイルム富山化学株式会社のプレスリリースによれば「アビガン」の第3相試験において主要評価項目を達成したそうです。(2020年9月23日)

主要評価項目は「症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快かつウイルスの陰性化までの時間」
担当医にはどちらの薬物が投与されたかがわかるランダム化プラセボ対照単盲検比較試験で行われました。

3月から開始して156例が解析対象となりました。
主要評価項目の中央値は「アビガン」投与群で11.9日、プラセボ投与群では14.7日
調整後ハザード比は1.593(95%CI:1.024-2.479)と言う結果です。

これは抗インフルエンザ薬でもいえることですが、非重篤な肺炎を有するCOVID-19の患者は14.7日で改善するのを11.9日に縮めるだけとも言えます。

これから導かれることは
1)無症状性COVID-19の感染者が2週間で検査なしに隔離期間が終了することは問題がある。
→プラセボ投与群の主要評価項目の中央値が14.7日であることから、半数はまだウイルスが陰性化していない時期で隔離を終了している。ウイルスが陰性化していることを確認してからでないと隔離している意味がない。

2)非重篤な肺炎を有するCOVID-19の患者は2週間たてば半数は無治療で回復すると言うことです。(詳細なデータが公開されれば、ほっておいても治る時期が明らかになるかもしれません。)

3)アビガンを使用した患者の体験談がマスコミやSNSで公開されています。投与によって体調が良くなったというコメントがたくさんありますが、これに関しては発症日から何日目かを考慮に入れないとプラセボ効果を全く無視したものになります。(まあ、それだから今回のようなプラセボとの比較試験を行う必要があるわけですが)

本試験では重篤化や死亡率は評価項目に入っていません。ステロイドが使えるようになってからは重篤化率や死亡率が低下しています。しかし、軽症から重症に移行する割合をプラセボに比べて低下させなければ「抗インフルエンザ」薬と同じく、2週間寝ている方がいいとなる可能性があります。インフルエンザは5日~7日間であるのに対し、COVID-19の場合は15日と長くなっています。

COVID-19に関してはまだ未知の部分が多いですが、明らかになっている点もたくさんあります。特にヨーロッパでの第2次感染(第3次感染?)での感染例の増加に対して重症例、死亡例は増加していないという事実に関してはその理由の解明が明らかになることを望みます。
私の仮説
1)ステロイド使用が死亡率を下げている
2)ウイルスの型が変わった
です。2)はあまりなさそうですが、ステロイド使用は重症になってからの使用ということも考えるとデータに基づく分析が必要です。

COVID-19の治療に関してはステロイドと抗ウイルス剤の比較試験が興味あります。今回の症例では非重篤な肺炎を有していることから、2週間ぐらいのステロイド投与は使えると思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020年09月30日 15時36分49秒
コメント(0) | コメントを書く
[プレスリリース] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.