映画ドラマ・千一夜

最近読んだ本の紹介です。
★★★★　85点　神谷　秀樹作　（文春文庫）

●日本の銀行からゴールドマン・サックスに転職、ニューヨーク・ウォール街で投資関係の仕事を経験した作者が、2005年頃から問題になり始めたアメリカのサブプライム問題を紐解く。
　住宅の価値が下がることなく、必ず上昇することを前提に、返済能力のない人でも住宅を担保に借金が出来、また、転売前提で借入金を自動的に減らして行くことが出来る、という普通では考えられないような夢の仕組みに乗って、しかも、その債権を安全なものとして世界中の銀行・投資家に売りまくったアメリカ資本主義・金融政策の過ちを指摘。みずから仕立てた都合の良い投資話によって、最後はその危うい波を自分で被る構造になって、今日の世界危機を招いたアメリカ資本主義の失敗を解説した本。
　旨い設け話に加担して、自分だけが何億ドルもの大儲けを企んだ人たちの実例も記載されており、解説には説得力がある。実名を出しての批判は、凄いです･･･。
●それにしても・・・世界経済の成長よりも何倍も儲かるお話が、どこに転がっているというのでしょうか・・・。強欲丸出しで突き進んだように見えるアメリカ・・・。今後、これから本当に世界経済はどうなるんでしょうか・・・。
　私の友達にも、派遣のお仕事でようやく生きている人がいっぱいいます。世界のリーダーたるべきアメリカ・・・こういう酷い事はしないで欲しいです。
●物の怪の住処と化したウォール街。賢いオバマさんが大統領となって、経済の正常化・心身浄化に向けて進んでくれることを、心より期待します。