オーストリー ビオワインセミナーに行ってきた!3 GV編
“オーストリー生まれのグリューナー・ヴェルトリーナーは実はすごい葡萄?”ちょ~っと、今回は文が長いです(^^;)後半では美味しかったワインのご案内もあるのでお時間のある方は是非お付き合いくださいませ。この日は前回お話しした壺ワインの他にもオーストリアの地場品種:グリューナー・ヴェルトリーナーのワインを2種類いただきました。(2生産者:ガイヤーホフ、グート オーバーシュトックシュタール)どのワインもこの品種の持つポテンシャルや特性を改めて知らされたような内容のもので、さすが!とうならされました~。グリューナー・ヴェルトリーナー(以下GVと表記します)って舌かみそうな名前の葡萄ですが、南チロルの村の名前“Veltliner”が由来とされ、葡萄自体は低地オーストリア北部が起源だろうと推測されているそうです。GVのワインはとても豊かな表情を持ち、白胡椒などのスパイシーさや柑橘系からリッチな桃の果実の風味まで、様々なスタイルを出すことが出来、豊かな果実味にバランスを取るように綺麗でしっかりとした酸があります。また、GVは若い内も美味しく飲むことが出来ますが、熟成も期待できる性質を持っていて、良い熟成を経たものは、GVの特性をよりはっきり表します。ファイナンシャル・タイムズ紙に掲載された(1*)ジャンシス・ロビンソン氏のワインコラム記事で(2*)ロンドン・テイスティング(2002年10月30日)にてグリューナー・ヴェルトリーナーがブルゴーニュやその他各国の名だたるシャルドネの白ワインにも引けを取らない評価を得ました。その際の1位はEmmerich Knoll、2位Willy Brundlmayerでした。この結果からも、この葡萄の素晴らしい性質の一端が伺えますね。(1*)世界でも取得者の少ないワインの専門資格マスター・オブ・ワイン取得者(2*)テイスティングのプロが集まり、オーストリーとブルゴーニュやその他地域 の白ワインをブラインドでテイスティングし比較評価するという催し。 過去に何回かロンドン以外でもウィーン、シンガポール等で開催された。マツザワヤでもいくつかオーストリーの生産者の取り扱いがあり、今回の試飲した生産者のものと遜色ないワインを造り出しています!マツザワヤのオーストリーHP http://www.grandvin.net/austria-00.htmlそのグリューナー・ヴェルトリーナーを使ったワインをいくつかご案内します。個人的におススメする生産者は…『Willy Brundlmayer ウイリー ブリュンデルマイアー』…ボディの豊かさには目を瞠るものがあり、フランスのワインに親しんだ方にはオーストリーワインの入口としても良いのではないでしょうか。一押しワイン♪ブリュンデルマイアー グリュナー・ヴェルトリーナー リードラム2001年 6,280円(税込)『Franz Hirtzberger フランツ ヒルツベルガー』…どこまでも綺麗でのびやかな酸が特徴!このスタイルは他のオーストリーの生産者でもなかなか見られないと思います。一押しワイン♪フランツ・ヒルツベルガー グリューナー・ヴェルトリナー ホニフォーグル スマラクト2004年 7,250円(税込)ヒルツはリースリングもおススメ!フランツ・ヒルツベルガー リースリング ジンガーリーデル スマラクト 2002年8,700円(税込) [ワインスペクテイター評価]93点 その他・・・Emmerich Knoll エメリッヒ クノルF.X. Pichler フランツ・クサーヴァー・ピヒラーAlois Kracher アロイス クラッハーなど、世界でも高評価を得たオーストリーを代表する生産者がいます。グリューナー・ヴェルトリーナーは、その品種の個性から、秋に美味しい食材や濃厚な料理、オイリーな料理にも良い相性をみせる味わいですので、是非お試しあれ!!(セミナーで教えていただいた相性の良いものには、オレガノ、マジョラム などのハーブを使ったお料理、それに豚肉料理などもGood!だそうです)オーストリーのビオの状況についても少々。オーストリーではビオに転換する際、報奨金が付与されますが、その金額は1haあたり700ユーロ~800ユーロ程度。この価格はビオの作業内容に対して決して多くはないそう。それでも転換する生産者が年々増えていることから、オーストリーの人々の関心度の高いことが伺えますね。あと、もう1点特筆すべきことは、オーストリーのワインの場合、全てではありませんが、ビオワインにありがちなビオ臭というものがあまり見られません。これは技術的にも素晴らしい生産者が多いということが伺えます。今後もオーストリーのワイン生産の動向には注目していきたいと思っています。オーストリービオワインセミナー 2008年9月24日atコンラッド東京グランヴァン マツザワヤ 中目 千明◎文中で一部下記出典の記事を参考にしています Wines From Austria / Austrian Wine Marketing Board