どうか忘れないで。
貴方に捧げた花の色。貴方に捧げた花の薫り。どうか忘れないで。もし運命が私を襲い――私が私でなくなるときどんな姿でも、その瞳で見つめてほしい。もし貴方の悲しみで愛されるのなら――私は貴方の剣で眠りましょう。もし貴方の喜びで愛されるのなら――私は貴方に捧げた花々に、私の想いを込めましょう。世界がいつ終わろうとも。私の身体が朽ち果てようとも。貴方がいたことを、忘れない。だから、いつも貴方に想いを伝えます。私の好きな花に――貴方へ捧げた、あの白い花に――愛しています――――ヴェラード『11eyes RF』の攻略完了。攻略っつーか選択肢もないし、ただひたすらテキスト読みまくってただけだが。ともかく、ファンディスクとしては非常に物足りない出来だったと言わざるを得ない。不満点その1、リゼット編と使徒編以外、なんかすごい短い。ボリュームが足りない、新しく掲げるテーマもない、ならせめてもっと死ぬほどイチャコラさせればいいのに。不満点その2、この作品全体を総括するシナリオが存在しない。今作で新たに語られた教皇庁の一件に決着がつかない。思わせぶりなことを言いまくるムカつくヨハンナを打倒できない。本当に純粋なFDでしかなく、原作に新たな価値を付加するものではない。不満点その3、栞のエロが少ない。おいシーン回想一個しかねえぞ、責任者出て来い。なるほど。結局、俺はFDではなく続編を求めていたのか。まあ雪子関係についてはクロスビジョン数がやたら多く、非常に充実していたから良しとして、だ。リゼットについては、あれで彼女が原作以上に救われているとは思えなかったわけだ。確かに、ヴェラードはリゼットを、やがて襲い来る壮絶な苦痛から救った。しかし彼が時間を飛び越え諸要素を多少ばかり変換したとして、それで世界の本質が変わるわけでもなし。それに、例え世界が本質以外はグニャグニャと蠢く不定形なものだったとして、俺にとっての唯一の世界は、やっぱり駆たちが戦った原作の世界でしかありえない。出来ればそのラインに乗せて、彼女を救ってみせてほしかった。ほしかったが、出来ないのならば仕方が無い。そういうことだ。おやすみ、ヴェラード。せめて良い夢を見て下さい。悲しみでも喜びでも全て、ヴェラードから受け取るものならリゼットは応えてくれると言う。だから、原作の彼女だって、あれできちんと救われていたのだ。ようやくそう思えたことが、俺がこのゲームをやって得た最高の収穫であることは間違いない。 【中古】【ゲームミュージックCD】Asriel/穢れ亡き夢 PCゲーム「11eyes-罪と罰と贖いの少女-」ED【05P3Oct12】