『クドわふたー』。星屑。
『クドわふたー』、攻略完了。二人がいったい、どういった結末を迎えたかは後述するとして、まずはゲーム全体の概要と、簡単な感想を書いておく。初めに『クドわふたー』とは何か。『リトルバスターズ!』からのスピンオフ作品であることは間違いない。しかし、クドわふたーはリトルバスターズ!のファンディスク……ではない。クドわふは、リトバスのファンディスクとは言えない。そう断言できるほどに、このゲームは原作とは全く違った文脈で展開する。即ち確固たる世界の中で、普通の恋人の少年少女が、傷付いて悩んで挫折しながらも未来に進んでいく、ごく普通のエロゲー。原作から引き継いでいるのは能美クドリャフカというヒロインの眩いばかりの魅力、のみ。だから今からこのゲームに手を付ける人は、別にリトバスのことを知らなくてもいい。クドのことを知らなくてもいい。このゲームに必要なパーツは、全てこのゲームの中に詰まっている。完成された作品。この作品は能美クドリャフカという少女を描くことだけに全力を捧げているため、プレイヤーに求められる物もただ一つ、「彼女への興味」だけだ。それを備えているクドフィリアたちならば、この作品を購入して後悔することは決してないだろう。次に、作品の内容について。当然、ヒロインはただ一人。ストーリーの実質的な分岐点となる選択肢も、終盤に一つあるのみ。バッドエンドか、トゥルーエンドか二つに一つだ。ここで正しい選択肢を選べるかどうかで、プレイヤーが『クドわふたー』から正しくメッセージを受け取れているかどうかが試される。試された、と俺は思う。え俺?間違えたけど?まあ……つまり、何が言いたいかというとだ。このゲームの他愛ない描写、全てに意味がある、ということ。クドが一生懸命に語る言葉、全てに意味があるということ。「宇宙開発なんて、意味のない道楽」だとか。「このご時勢に宇宙を目指すなんて世迷言」だとか。そんなことを少しでも思ってしまうのなら、それはそのままクドへの侮蔑として跳ね返ってくるぞ。だから全てのプレイヤーには、自分が理樹になったと思って、クドを心から愛してほしい。彼女の視線の先に何があるのか、彼女にとって最も大切なものは何なのか、どんな困難の中であっても、常に忘れることのないようにしてほしい。そうすればきっと、底意地の悪い最後の選択肢に騙されることもない。そして願わくば一人でも多くのプレイヤーが星屑の一つとなりますように。一人でも多くのプレイヤーが彼女を見守る光の一つとなりますように。例えてんとう虫のように小さな光でも、人々の日々の光に掻き消されるほど弱い光でも、暗闇に彷徨う迷子を導く光になれることもある。故に We are star duster だ。あのエンディングに輝く無数の光の中の、どれか一つに俺がいると考えただけで、途方もなく爽快な気持ちになれるんだよ。 【中古】ヴァイスシュヴァルツ/CR/クライマックス/青/ブースターパック Angel Beats!&クドわふたー KW/W11-098 : 飛べないアルビナの願い 【10P10Dec12】【画】※以下、ネタバレ注意宇宙で恐ろしい事故が起こり、色んな意味で高名なストルガツカヤ博士(クドの母親)が宇宙に取り残されたという事実はメディアに流れ、世界中を巻き込む一大関心事となった。そして彼女の一人娘が懸命に、宇宙に取り残された母親を救おうと夜も寝ないで努力している、その情報は美談となり宇宙を夢見る多くの人々を衝き動かす。その日。ストルガツカヤ博士が大気圏への再突入に失敗して燃え尽きる、だろうと思われたその日。地球を覆いつくすほどの発信機が成層圏まで打ち上げられ、地上で待つクドが書いたメッセージを伝えた。見知らぬ世界中の人々が、博士とクドのために打ち上げた無数の発信機は、ついにその役目を果たす。ストルガツカヤ博士は生還し、そこからずっと先の未来、クドは宇宙飛行士となった。地上で待つ理樹の元には、二人の娘の架夜の姿が。トゥルーエンド、終了。わーぱちぱち。エンディングの演出について。優しく力強いエンディング曲をバックに、発信機をつけた無数の風船がゆっくりと空をゆき、宇宙から俯瞰する地球の表面に小さな小さな光を灯し出す、その表現が超美しい。このエンディングを、もう何十回と見てる。本当に胸を打つ演出で手放しで素晴らしいと褒めざるを得ないね。作中では「ウィーアースターダスター(我々は星屑である)」という台詞が何度も強調されるが、全てはこの瞬間のためにあったのだと言葉ではなく感覚で理解できる。つまりは、あの宇宙の闇を泳いでクドの母親を導き、クドの祈りを受けて輝く一つ一つの光が星屑だ。そして、そのうちの一つは俺だ。だから、このエンディングを見た後はいつも叫びたくなる。ウィー、アー、スター、ダスター。ウィーアースターダスター!!ウィーアースターダスターッ!!!ウィーーアーーースターーーーダスタァァァァァァァァァッーーー!!!!俺は星屑。あなたも星屑。クドわふたーは星屑であり、この世界に星屑を増やすためのゲームだ。故に以後全てのクドフィリアは「星屑」を名乗るといい。ロリコンに星屑なんて名乗られて星屑も大迷惑だろうが構いやしない。そんな感じで、この作品は俺を星屑にした。だから俺はクドわふたーでわふわふして、呟くんすわ。We are star duster .狂ってる?それ、誉め言葉ね。