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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2011.02.21
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カテゴリ:百人一詩
「校歌」
荒川 洋治

ぼくの詩は
よいもので十年
へたをして一冬も越さないが

鳥の声 風の音をころして
出来上がった
校歌はどうか

二十六歳の作曲家は きょう
雨の日に
ピアノをつまみながら うたいそめる。
これですよ

その人はいわない
だが

それは十一年 いや
百年は生きるかもしれないものなのだ
ぼくは
羽をつけて飛びたつ
めずらかな歌をみつめた。
遠い冬の日にさえ
生きて
わがむくろへと吹きつける
惨酷な 意味の歌を。


  *福井県立ろう学校校歌。作曲は久木山直。

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荒川洋治さんの足元にも及ばないモグラ詩人の不具ですが、この気持ちはよくわかるなあと思いました。校歌はいわばポスターに似ています。どちらもメッセージ性が強いものです。これに対して、詩は、言葉でかいた絵画です。ポスターに絵画性がない、詩にメッセージ性がないとはいいませんが、どちらもその本質からすれば第二義的なものにすぎません。

なお、この詩を読めばわかるように、冒頭の三行は作者一流の諧謔です。








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Last updated  2011.02.26 23:21:53
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