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テーマ:読み聞かせ(296)
カテゴリ:絵本
もしかしたら、読む人をおそろしく選ぶ本かもしれない。
天才・荒井良二が描く快感のみを追求しちゃったような絵本である。2、3歳の子を膝に乗せて読むか、絵描き属性の幼児~低学年の子と腹ばいになって読むか、いや絵描きならいっそ中学生の子にプレゼントというのもありか。とりあえず、本を読んだあとにお絵描きしたがる子限定がいいかも。そうでないと、たとえば物語志向の強い子だと、頭の中に大きなはてなマークがいくつも浮かんじゃうのでは。いつお話始まるの、とか。とりあえず、クラス読みにはまったく向きません。表紙だけだと低学年向け冒険ものっぽい感覚にあふれているのだけど…(読み終わると表紙が中味とほぼ関係ないのがわかります)。 自分ではろくに描けないけれど美術館に通ったり画集をめくったり、消費者として絵画に耽溺する私としては、ぬるめの温泉を堪能するような感覚を得られる絵本。ゆるくほどけていく感覚がたまらない。カンディンスキイとミロとシャガールの色彩感覚が好きな人は一度手にとって見てみてください。 うちの子の場合、リンはしきりに首を傾げ(雰囲気に酔うということができないタイプ)、キイはなんだか恥ずかしげ(物語の安定感からくる心地よさとは別種の「快感」を得ることに慣れていない)、そしてぽーっとするナン(本能で生きてる度合いが強い)、という感じ。ゼロは表紙だけ気に入ってます。 うちゅうたまご お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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