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カテゴリ:絵本
最近、眠りばなにゼロが手放さない絵本が、バイロン・バートンの『はたらくくるま』である。はたらくってすばらしい、むだなことをかんがえず、やるべきことをきちんとはたすそのほこらしさ。それがバートンのメインテーマだと私は受け取っているのだが、その最高峰の一作がこれではなかろうか。
はたらくくるまとそれを操る人たち。男の人も女の人も、いろんな肌の人が1つの仕事場に集い、力を尽くし、一日を終える。無駄のない仕事っぷりも、その力強さ頼もしさも、お昼時の満足感も、午後のもうひと頑張りも、そして夜、眠りにつくくるまたちのシルエットまで、これは完全な絵本のひとつ。どの人もそれぞれに、そしてどのくるまもそれぞれにしっかりと働いていることが、2歳の幼児の心にどれほどの安心と信頼をもたらすものか。図鑑絵本の大興奮状態とはあきらかに別の種類の満足感でかがやく表情。 この本と『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』そして『うちゅうひこうしになりたいな』と3冊並べると(3冊ともインターコミュニケーションズ刊)、もう小さい男の子の基本図書は他に要らないんじゃないかという気すらしてくる。荒井良二のイエローを見るときのそれともまた違う多幸感はどこからくるのか。重厚ではないのに完全なる安定を表現可能にしているのはなにか。太い黒の囲み線のせいだけではないはずだ。 我が家にある1冊は、キイの1歳の誕生日に訳者さんからいただいたもの。見返しのきれいな赤が1ページきれいに破られてしまっているそれは、兄ではなく小さな弟の宝物となった。がちゃん&かん子さんご夫妻、ありがとう。安心して眠りにつける、実はおやすみ絵本としても優れ物の1冊。 ※昨年10月6日の記事でもこの本をとりあげています。私のこの本への評価は変わっていませんが、1年前とはゼロのこの本との向き合い方が明らかに変化しています。ストーリーラインを追う楽しみにめざめました。いや、いまだに好きなページを行ったりきたりもしてますけどね。 ↓よろしかったら押してください お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.11.16 20:33:13
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