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「肉体の病気だったら、お医者さんが、どの内蔵が悪いのか、診断して、治療をする。サトルボディの病気なら、どのチャクラが問題なのか診断して、ヒーリングする。
あななたたちはチャクラの医者になりなさい。お薬は、瞑想。それを処方したらいい。」 というプラサードの言葉がはまった。 そういえばチャクラを診断するドクターみたいなひとだった・・と過去生リーディングされたことがある。 過去生の記憶はたくさんあり過ぎて、それもあるし、あれもあるし、いろいろあるのだが、祖父は歯医者で、100歳で亡くなる直前まで、応接間に歯医者の椅子を置いて、昔なじみの患者さんを治療してた。 妻に先立たれて、「独居老人の孤独」なんてテーマで講演をしたりする街の名士だった。 教育委員会の委員長をやってたり、怖いひとだったが、特に怒られたことはない。 父親も誰も歯医者は継がず、さみしい晩年だったが、短歌の本を何冊も出してた。 木村拓哉のドラマ(日曜夜)のA・LIFE というのを見ていて、暗黒舞踏の田中眠の演じる寿司職人が父親役で、息子のキムタクが外科医のドラマが、なかなか好きだ。 キムタクが格好いい天才外科医でなく、父親譲りの努力する職人型の外科医のところがいい。 診断して、治療法を研究して、ミーティングして、手術して、論文書いて、人間家関係があって、経営のこともあり、お医者さんってすごいなあと素直に思う。 十数年前にバイクの事故で骨折した時以来、お医者さんというものに行ったことがなく、それ以前も、子どもの時以来、お医者さんに行かなかった僕としては、お医者さんの現場も知らず、妙に感心する。 父親は「自分は努力したことがない」と公言していた天才型のひとだったが、手帳に「小咄集」なんかをメモしていたから、あのおもしろくないジョークは努力の賜物だったのだろうか? 田中眠や埴谷雄高に似ているハンサムだったが、頭が禿げててひょうきんだった。 丸顔で、団子鼻で、ちょび髭はやしてた祖父は、どっちの型だったんだろうか? 若い時に渡米して歯医者の技術を学んで、アメリカで長男の父を生み、船で帰って来た。 その父が大学生の時に、学徒出陣で戦争に行ったわけだから、歯医者の修行というのは、大正時代。明治生まれのひとだった。 受診待つ人多ければ歯科医我れ足もと軽く診療所に通う が昭和五十一年の歌で、この頃に歌の創作をはじめ 受診待つひとを思へど日の当たる朝の堤を遠回りして行く あとをつぐ子なきがままに荒れはてし我が診療所は残照に立つ 東京に総義歯学会の研修あり八十二歳われ申し込みを書く 学会に出でて思うかな我れより老いし人は稀なり 良き義歯を作らむとしてアメリカに学びたる日も遠くなりたり 白浜にインプラントの学会あり八十三歳若きらと学ぶ よく噛める義歯作ることそのことが聖職なりと近頃思う 休診日を冬陽さす縁にくつろげば明日にも職をやめたしと思う 後を継ぐ子のなきが故に寂しくも四十五年の歯科医院閉づ 職ひくと告げなば古き患者らは涙にうるむ目をあげ給う は昭和五十六年の歌。八十五歳の時。 その後、妻が先立ち、ひとり暮らしにこだわり、 病む妻を看取りて過ぎし八年は亡き今よりも幸せなりけり 生きていて独り酌む日もいつまでか仰ぐ夜空に天の川さゆ 語らふに人なき家の秋の夜は剥製のごと座りていたり といった歌が続き 独り居れば檻のなかなる熊のごと首うなだれて畳を歩く という歌はなかなかのものだと思う。 残る生(よ)をいのち新たなれひたむきに歌学びせむ道の遥けき と歌作りを学びに、和歌山から大阪に通って、だんだん歌がうまくなったし、エネルギーも湧いて来たようだ。 祖父の本には、歌人の前登志夫氏の序文を書いていて、 「ご本人はつつましく何も言われなかったが、若い日にアメリカで義歯の技術を学び、日本の草分け的な存在であったらしい。そのひとにして、「我が技(わざ)のいまだつたなきままにして恥多きかも職を去るいま」と謙虚に述懐される。」 とある。 「我が作りし義歯よく噛めるお礼にとうけたまわりし大根太くみずみずし」 という歌は、もっと習作を積んだ後のもので、診療所を閉めた後の孤独な独居老人は、応接間に歯医者の椅子を置いて、昔からの患者さんに請われての治療を亡くなるまでした。 診療所もなく、引っ越してからは特別なセッションルームもなくなった僕も、最近はリビングルームでセッションをしている。 渡印し、渡米して、草分け的に学んでも来たし、僕より若い人も多くなった研修にもいまだに通っているが、祖父のように町の名士ではもちろんない。 しかし、チャクラのお医者さんとして、瞑想という薬を処方することは、謙虚に、やり続けたいと思う。 お正月の挨拶が終わったら、近所に住んでいた南方熊楠について突然語りだし、粘菌の話を何時間も聞かして、孫をうんざりさせるような空気を読まない人だった祖父が、どこかで応援してくれているように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.03.08 13:25:46
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