カテゴリ:土木遺産、歴史遺構
色内埠頭に打ち寄せる波は穏やかだ。手宮・高島から平磯崎までの約3.5kmに渡って築いた防波堤のおかげで波静か・・。小樽港北防波堤(幅7.0m×延長約1.3km)は、明治41年(1908年)に竣工した。106年間、冬場の荒波に耐えてきた現役のコンクリート防波堤だ。 明治時代、石狩湾を締切るように伸びる防波堤と小樽運河が造られた。海岸を埋め立てして、荷揚げを容易にした幅40m×長さ1.3kmの埋立式運河。積荷が増えるに従って、倉庫群が形成したのだろう。運河と北防波堤との長さが同じというのも面白い。現在の運河は、幅20m×長さ1,140mと縮小されている。 小樽港北防波堤は、平成12年度に土木学会推奨土木遺産に登録された。一方、小樽運河倉庫群は、旧手宮鉄道施設と伴に、「近代化産業遺産」(経済産業省)に認定されている。昭和48年頃から10年間続いた「運河戦争」、再開発か保存かの激論は運河の底に沈み、新たな時の流れが漂う・・。 小樽の産業・経済は、エネルギー革新(石炭から石油へ)と運輸革新(船運からトラックへ)によって衰退した。現在は観光産業が主体だ。年間700万人の観光客が訪れ、宿泊延数も75万人を超えた。このうち約1.1割が外国人だという。国別のベスト3(平成25年分)は、香港・台湾・中国の順となっている。 写真-1 小樽港防波堤内の朝焼け。手宮から平磯崎まで南北3.5km続く防波堤。 写真-2 北防波堤から昇る朝日。色内岸壁にて。北の夏の夜明けは4時と早い・・。 写真-3 外国人観光客で賑わう浅草橋付近の小樽運河。 写真-4 ウミネコの鳴き声が響く北運河。やわらかいガス灯が燈る。
写真-5 旧渋澤倉庫。三連の珍しい倉庫、ライブハウス等に使用されている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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