これは五木寛之が選んだ30人の作家のエッセイを載せたものです。
すでに単行本で刊行されていたものを文庫化したものなので、
もう読まれているかもしれませんが、意外と面白かったです。
「こころの羅針盤(コンパス)」五木寛之選
何が面白かったか?というと、
こう個性の強い、老若男女の三十人分を一度に読まされると、
スタンスの違い、生活感のちがい、文体の異なりかた、・・
などなどが、浮き彫りになって楽しめたことです。
皆、短文ばかりなので、内容の紹介は省きますが
この中で、私が印象に残ってるのは、
「ロールキャベツを遠く離れて」 村上春樹
「ハゲについて」 浅田次郎 (※これは大爆笑ものです!!)
「Xへの手紙」 辻 仁成
「貧乏臭き追放月間」 山田詠美
「知る余地のこと」 江國香織
「人生観の訂正」 ビートたけし
と、こんなところかな。
興味あるものからランダムに読んだので、飛ばしてる人のもありそうだけど。
☆ ☆ ☆
数日前にスーパーに行ったとき、本屋さんに寄って6冊ばかり買いました。
読みたかった本はあいにく店頭には無かったので、気分任せの文庫本ばかりです。
「こころの羅針盤」を選んだのは、読んでみたい作家名がいくつかあったのと、
本のカバーに抜粋されていた著者のまえがきの言葉にのせられて・・
「声に出して笑ったり、ため息をついたり、なるほどなぁとうなづいたり、と
私自身、人生を三十回生きたような感じがした。
才気あり、含蓄あり、厭味あり、教養あり、風格ありと、活字を読む楽しみ
この一冊に尽きる。」
いや~こういう要素は、三十人も読まなくても、いい小説には一冊でも
だいたい含まれているものですよね。
マーケティングを意識した、ちょっと大袈裟なことばです。
と、今は思うものの・・
閉店チャイムが鳴って、わずかの選択タイムに走り読みして、
まぁ結局、そのキャッチフレーズにまんまと捕まったわけです。^_^;