本のタイトル・作者
妻のトリセツ (講談社+α新書) [ 黒川 伊保子 ]
本の目次・あらすじ
第1章 辛い記憶「ネガティブトリガー」を作らないー妻に嫌な思いをさせる発言と行動を知っておこう
第2章 ポジティブトリガーの作り方ー笑顔の妻が戻ってくる、意外に簡単な方法
引用
結婚の初め、「この人がいなければ生きていけない」と思った、その気持ちの色合いとは全然違うけれど、私は、またあらためて「この人がいなければ生きていけない」と思っている。私の感情の露出に、まったく動じないのは、この人だけだから。思いっきり放電できて、手放しで泣いてなじって甘えられる、唯一無二の相手だから。
子育ての最中には、御多分にもれず、「一緒の部屋の空気を吸うのもいや」と思ったこともあったけれど、あのとき、手放さないで本当によかった。あのとき、見捨てないでくれて、本当によかった。
感想
2020年読書:158冊目
おすすめ度:★★★
字が大きくて行間が広くて、読みやすい新書。
熟年離婚しそうなくらいの世代の男性をターゲットにしている。
でも、私(幼児子育て中の妻)が読んでも面白かった。
著者は1959年生まれの人工知能研究者。
少ない個体を生み育てるために、女性が何十年分もの記憶を総動員し、かつ他者からもたらされた情報も検証して状況を判断している、というのが「へえ」と思った。
だから女性の会話は脈絡なくても「わかるわかる~」なんだ。
そうやって自分の持つ情報を開示し共有することで、将来的に起こるであろう危機に対応するためのデータを蓄積している。
とめどない小言は、家庭内のセキュリティ。
井戸端会議ってめっちゃ高度なコミュニケーションやったんや…。
これはあくまでも「妻の怒りに触れないように夫がどうすればよいか」という視点で書いてあるのだけれど、「妻が何故怒っているのか」の解説が、「私ってこういうことに怒っていたのか」とあらためて認識できて良かった。
たとえば、「ほっといて」と言ったとき、本当に放っておかれたらキレるよね。
で、夫は「ほっといてって言ったやん」となる。
でも、それは「放っておいたら許さない」と言ってるんですよ、私。「それは私を否定する行為だから、許さない。今すぐ手を付けて片付けて私に謝って」って。
うわー、怖い!反語か!
でもこういう言葉の使い方、しているなあ。
もっとそこをちゃんと伝えていけば、お互いストレスがなくなりそう。
引用部分は、子供たちが大きくなった時、そう思えたらいいな。
たくさん気に入らないことがあって、気に障ることがあって、それは向こうも同じで。
それでも一緒にいるって、すごいことですよね。みんな。
だって、全然違う環境で育ってきた他人なんだよ。
それが、何の因果か巡り会い、「私はこの人と一緒に生きて行こう」と決めたのだから。
もしも大きな嵐が起こっても、それでも小さな舟にしがみついて嵐を抜けて、2人で笑い合えたらいいなと思う。
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