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2021.02.15
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テーマ:読書(8266)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



子育てはもう卒業します (祥伝社文庫) [ 垣谷美雨 ]

本の目次・あらすじ


五十川淳子。北海道出身。夫の両親、姉たちと同居。息子2人。
国友明美。高知出身。夫、娘1人。
シュベール千代松紫。福岡出身。フランス人の夫、娘1人。

1978年、四年制大学への進学率が1割程度だった時代。
修英大学の仏文科で席を並べた彼女たちは、三者三様の人生を歩む。

引用


――戦後三十年も経つんに、先進国ん仲間入りばしてもGNP何位になっちも、この日本ちゅう国は女に席ば譲らんとよ。男は既得権益ば絶対に手放さんと。政界や会社だけん話やなくて、家ん中までそうやけん。過渡期、過渡期っち、いつまで言いよっとか!


感想


2021年読書:015冊目
おすすめ度:★★★

垣谷さん好きの方が、「これも面白かったよ!」と続けて垣谷さんを貸して下さる。
(垣谷さん、面白いんです。面白いんですが、私…そこまでツボらないんです…。)

読んでいて、母から聞かされていた話を思い出した。
母は、中学に通うのに付属の寮に入らないといけないような、超ど田舎の出身。
子供の頃は電気もガスもなく、川で洗濯をしていたらしい(戦前か)。
けれど、親は「学歴は荷物にならない財産」という考えだったので、女の子でも四年制大学を出るようにと言われていた(ちなみに進学費用は出してくれなかった。なんやねんそれ)。
母は学費を工面して4年生大学に入学した。
そして、いざ就職活動を始めようと思ったら、募集掲示板の貼り紙はたった3枚だった。
なにこれ、と思ったらしい。なにこれ、と。
女子社員が皆、寿退社していた時代。
初の総合職として大企業に就職し、けど結局、数年して父と結婚することになり退社した。
会社からは、「君の研修にいくらかかったと思っているんだ」と言われたそうだ。
母は、後悔しているようだった。
あの時、あのまま、働き続けていたら。
それは不可能だったと分かっている。25歳を過ぎれば、クリスマスケーキに譬えられた時代。
保育園に子供を通わせれば、「かわいそう」と眉を顰められた時代。
母は家庭に入り、子どもがある程度大きくなり、そしてまた外に働きに出た。
でも、大学を卒業したことなんて、なんの意味もなかった。
母は教員免許と学芸員、司書の資格を持っている。
けれど、それが生かされる日は来なかった。
就職して、結婚して、子どもが出来て―――仕事を辞めた。
頑張って頑張って、でも、報われない。
私は母からこの話を繰り返し聞く時、そこに紛れもない怨嗟が込められているのを感じていた。
こんなはずじゃ、なかったのに。
今でも母は、よく本を読む。
「なんでこの本を?」と首を傾げたくなるような、世界中の本。
彼女が失ったものを、手にできたはずのものを、何が奪ったんだろう。
彼女は不満を持っているわけじゃない、と思う。
でも、たぶん、自分が選んだわけじゃない、と思っているんじゃないか。
あの時、選択肢は、なかった。

母は、私の進路にまったく口を挟まなかったけれど、「大学は出ておきなさい」と言った。
学歴は荷物にならない財産―――母の持論で、これには「絵画と音楽と言語」も付け加えられた―――だから。
そして、一生自分で食っていけ、と。そういう仕事を選びなさい、と。

今は、結婚して家に入り、金銭労働せずに生きていく、というのはほぼ不可能になっている。
夫婦共働きがデフォルトだ。
でも、じゃあ、すべてが良くなってハッピーか?というと、そうじゃない。
結婚して夫の転勤に付きしたがって。
子どもが出来て、仕事を続けられなくて。
たくさん辞めている女性がいる。
なぜ、それはいつも、女なのだろう。
時短勤務をするのは、昇格できないのは、なぜいつも、女なんだろう。

こんなはずじゃなかったのに。
女も男も関係ないと教わったのに。
それは全部、嘘だった。
選んだんじゃない、選ばされたんだ。
誰に、だろう。
何に、だろう。

この本を読んで、そういうことを、思う。

レイモンは言う。
小学校、中学校は義務教育。都立学校は学費安い。国立大学には特待生で行けばいい。子供が塾に行くのはおかしい。頭が良くないなら大学に行く意味はない。あなたは大学を出た意味があるのか。なんのために生きているのか?

うーん。何のために生きているんだろうね?
でも、とにかく楽しく生きること、が大事だな、と思う。
自分が楽しくあること。
母は今、楽しそうだ。
私も、ずっと楽しくありたいと思う。

子供の頃から言い聞かされた「学歴は財産」理論、もはや通用しない世の中になっている。
どうせ行くなら海外の大学に行った方がいいし、それすらオンラインで日本にいながら通えるかもしれない。
さて、でもそれは日本の国内で通用するのかな?
この国は取り残されていくんじゃないかな?

子育ての終わりって、どこなんだろうね。
先回りして、万難を排するばかりが子育てではないだろう。
かといって手をかけずに放置するのも違う。
(作中で、大人になってから子供の頃の習い事を改めて始め、「娘にも子供の頃に習い事をさせてやればよかった」と言っているのが身につまされた。うちは何もさせていない。)

タイミングと、その子のありようを見極めるのって、すごく難しい。
私は、自分が楽しく学んでいる姿を見せたいな、と思っている。
いくつになっても、いつまでも、勉強するのって超楽しいじゃん、ってこと。
しかし、ただし自分が好きな物に限る、という注釈をどう説明するか問題。


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最終更新日  2021.02.15 00:00:18
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