本のタイトル・作者
「フツーな私」でも仕事ができるようになる34の方法 [ 田村麻美 ]
本の目次・あらすじ
はじめに
田村麻美の人生ヒストリー
第1章 「自分の市場価値」を知る
仕事で「誰に評価されたいか」を明確にする
評価されそうな「市場」に移動してみる
「自分の市場価値は刻々と変わる」と心得る
自分の手に届く国家資格を取る
「期限」を決めてさっさと動く
「石の上にも三年」いなくていい
キャリアは「長距離走」の視点で考える
不況の時こそ、普段より頑張ってみる
働く女性たちに聞いた 私の武器になった「仕事力」①資格&スキル編
第2章 自分の「弱点」を最小化する
「メジャー」がダメなら「ニッチ」で勝負する
「苦手」と思うこともとりあえずやってみる
「稼げる軸」を複数持てるようにする
「興味」の引き出しをたくさんつくる
「俗っぽい欲望」をエネルギーにする
間違ったプライドは捨てる
コンプレックスと真正面から向き合う
「頭を空っぽにする」ルーティンをつくる
自分を「キャパオーバー」にしない
30代から「セカンドキャリア」を考えておく
1年に1つ、新しいことを始めてみる
働く女性たちに聞いた 私の武器になった「仕事力」②事務処理能力&経験編
第3章 「デキる人」よりも「気さくな人」を目指す
「人柄の良さ」で勝負する
「笑い目」「腰の低さ」で感じのいい人になる
相手に合わせてメールに「人間味」を足す
深刻なメールの後はフォローの電話を入れる
「個性」は評価されてから小出しにする
働く女性たちに聞いた 私の武器になった「仕事力」③コミュ力&メンタル力編
第4章 「大事な人」ほど信用しない
「性悪説」に立って仕事を進める
「自分は必ずミスする」と想定して仕事する
「笑顔」と「傾聴」は一生モノのスキルと心得る
パートナーとはいつ別れてもいい覚悟で仕事する
敵をつくらない「ビジネス八方美人」を目指す
働く女性たちに聞いた 私の武器になった「仕事力」③アピール力&実行力編
第5章 「自分の味方」を毎日増やす
「目指したいキャリア」に合ったパートナーを選ぶ
パートナーとの相性は「金銭感覚」でチェック
居心地のいい場所で「ゆるいつながり」をつくる
SNSは「ツール」と割り切って付き合う
「ギブ&テイク」は「ギブ」のほうを心がける
おわりに
引用
頑張りすぎて、途中で燃え尽きてしまうのは昭和までの話。令和に生きる我々は、マラソンのように息長く続けられる、「頑張りすぎない」働き方を目指そうではないか。
感想
2022年002冊目
★★★
はじめに言わせてくれ。
タイトル詐欺…っ!
いや、為になるんですよ。「へー」と思って読んだ。
ただ日経WOMANが出してるし、読者の声を集めて作った「フツーの私たち」の実践的なノウハウ本だと思ったら違った。
著者は1984年生まれ。都内の大手税理士法人、埼玉の税理士事務所勤務を経て独立開業。
ブログの記事から各種メディアにも声がかかるようになり、2018年には『ブスのマーケティング戦略』を出版。
…いやいや全然フツーとちゃうやん…。
仕事できるやん…。
子育て中に大学院でMBA取ってるやん…。すごいやん…。
なんというか、「頑張れるひと」というのは、持って生まれた性質と努力の賜物なんだなと。
努力が出来るというのもひとつの才能だと言うしな…?
この本は、フツーのひとつ上の「フツーに頑張り屋さん」の人のための本。
たとえば私のような「容貌失認でひとの名前と顔が覚えられません」みたいなレベルの話じゃない。
「努力につながらない努力は単なる趣味」
「短距離走ではなく長距離走でキャリアを考える」
「1つの専門分野を持つI型ではなく、複数持つH型人材が今後活躍する」
「自分のキャパの8割くらいで仕事をする」
「自分の中の余裕を大切にする」
など、「頑張って成功している人」が時に失敗しながら挑戦し、これまで考えてきたことや経験してきたことを語ってくれているので、参考にはなった。
そして自分を省みて思う。
キャパ10割、短距離走の働き方、余裕なし、I型…。あかんやつや。
私は今、係長をしている。
さも仕事ができる「風」で仕事をしていて、でも誰かに首を傾げられるとき、「ああ、ボロが出たな」と思う。
お使いのバージョンには対応していません。新たなアプリケーションのインストールが必要です。
誰かを真似て、次からはうまくやります。けれど突発的な事態には対応できません。
幼い頃から繰り返してきたことをこれからもずっとずっとやっていかないといけないのだと、皆が当たり前に出来ることを私は出来ないのだと、思い知る。
泣く場面が、笑う場面が、わからないのだと。
お前は勉強だけ出来たって、人間として欠陥品だ。
子供の頃言われたことを思い出す。
打ちのめされて、打ちひしがれて、しばらく落ち込む。
たくさんの足りないネジを、どこが幾つ足りないのかも分からないままに。
大人の世界の中で、幼く未熟なままの自分。成長しない子どものようなままで。
けれど私はもういい歳をした大人なので、ある程度の諦念でもってそれを受け入れる。
仕方がない。私はこう生まれついたのだ。
訓練で、何とかなる部分をなんとかして。
それ以外は、私のオリジナリティ。
生きにくいままに、息をしよう。
私は、人が当たり前に出来ることが出来ない。
当たり前に分かることが分からない。
だからそれを学んできた。今も学んでいる。これからも学んでいく。
そうすることでしか生きていけない。
けれど一方で、私には私にしか出来ないことがある。
「ちょっと変わっている」と言われ続けてきた。そのことに怯えていた。
化けの皮が剥がれませんように。どうか普通になれますように。
でも今は、それが私の強みでもあるのだと分かるよ。
この世界に永遠に馴染めないのだろうと絶望していた子供だったけれど。
私はきっと、そのまなざしのままで生きていき、死んでいくのだろうな。
ひとり取り残された宇宙人みたいに。
最後に生き残った地球人みたいに。
私はこの世界を、そうやって見るよ。
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