蔵王ロングコースの罠
蔵王の売りのロングコース滑るくらいなら林の中で昼寝してたほうがいいわ。蔵王スキー場の売りは何と言っても…温泉だ。(いや、そうじゃなくて)じゃあ、樹氷だ。(そうじゃなくて…。よく8kmのロングコースって宣伝してるけど、どうなの?)うむ。確かに大々的にアピールしてる。でも、あれ…ウソだから。(え?)ま、実際に8kmのコースは取れるからウソってのは言い過ぎだけど滑るコースとしては認めたくない。ロングコースというよりただの下山ルートだ。快適なロングクルージングとは程遠い。どんなものなのか検証してみよう。スタートは山頂駅からのザンゲ坂。樹氷の中を滑る。とっても良い雰囲気だ。だけど今回、景色は考慮せず滑走面だけの評価をする。ザンゲ坂は斜度がある割りに狭くておまけに初心者から上級者までゴチャゴチャいて滑りにくい。蔵王の中で一番人口密度の高い場所じゃなかろうか。狭い斜面を、初級者やボーダーを避けつつそれでもルートを塞がれて時々止まりながらただ降りるだけ。まったく滑った気にならない。その後に現れるのが樹氷原コースの緩斜面。ザンゲ坂終わった辺りからクローチングを組んで直滑降しないと乗り切れない。たいていは最後スケーティングする羽目になる。ボーダーは確実に歩きになる。私に言わせれば歩いた時点でコースは途切れてる。この緩斜面が終わるとユートピアゲレンデ。コースが2つ並んでる。そこを下に滑らずに斜めにトラバース。ターンなんかせずに斜めにツーッと斜滑降。リフトの下をくぐって隣のコースをまたツーッ。あれ? ただ斜めに横切っただけ?はい、その通り。それでユートピアはお終い。なんかゲレンデを無駄に通過してるだけのような…。お次に現れるのは百万人ゲレンデ。ここは真っ直ぐ下に滑れる。やっとまともな滑走感を味わえるのだ。ただそれも晴れてるときだけ。吹雪のときここ百万人は思いっきり吹きさらしになるので蔵王の中で一番ツライ場所に変貌する。マジで泣きたくなるほど。みんなが滑る時は晴れますように。…少ないけど。百万人が終わるとロングコースも後半。ここで賢明な読者は気付くだろう。「あれ? 前半でまともなところって百万人ぐらいなの?」って。その通り。百万人を滑り降りると平らな廊下が待っている。ここも直滑降しないと最後のちょっとした上りで止まってしまう。まぁ、止まったら止まったで一息付こう。右の脇道を入ると横倉の壁がある。壁の上まで行って話のタネに覗くだけ覗いて戻って来る人も多い。ロングコースはもちろん壁を滑らず迂回コースへと続く。ここも狭いので周りに気をつけながら滑ると壁の下に出る。「おお! これが壁か!」と見上げて滑ってる人をしばし眺めるのが定番だ。転んで下までずり落ちてくる人を見れたらラッキーだ。笑転んでる人を見て一通り笑ったらさぁ終点へ向けて滑り出そう。ツーっと緩い斜面に漕ぎ出しリフトの下をくぐってまたコースを横切る。(なんか、トラバースばっかりだなぁ…)すると横倉ゲレンデに着く。ここを滑り降りれば終点だ。中斜面で広い横倉ゲレンデ。もう残りわずかだけど思う存分に滑ってくれ!以上、蔵王が誇るロングコースだ。どう? 楽しそうだった?なんか滑った気がしないって?そう思ったあなたは…実に正しい。8kmのロングコースの中でまともに滑れるゲレンデは百万人の500mと、横倉ゲレンデ500mの合わせて約1kmしかないのだ。あとの7kmは止まりそうな緩斜面とゲレンデの横切りトラバースだけ。滑走感、爽快感が限りなくゼロに近い。疲労感だけは半端ない…。これなら百万人や横倉を繰り返し滑ってたほうが満足感がある。全国有数の広さを誇りロングコースを売りにしてる蔵王では実は、ロングコースを滑るのではなく気に入ったゲレンデを繰り返し滑るのが正しい楽しみ方なのだ。だいたいにしてロングコースを滑ろうと山頂へ行くだけでも素人さんだと半日かかっちゃったりする。空いてる蔵王でもロープウェイだけは激混みだから。慣れてる人なら時間帯とルートを考えて最速30分ちょいで行けるけど。快適ロングクルーズをしたいのなら蔵王8kmより安比や夏油での2kmのコースの方がよっぽど滑り応えがある。でも冒頭で書いたように晴れた日の樹氷と白濁した温泉はどちらも絶品だからぜひ蔵王に来てね! ←フォローになってるのか…?蔵王に行きたくなくなった人もむしろ8kmコースを滑りたくなった人も樹氷見て温泉入って地酒飲みたくなった人もクリックしてチョーダイませ。にほんブログ村スキーランキング