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テーマ:†黒執事†(572)
カテゴリ:「黒執事」小説
BLの苦手な方は読まないでください。
あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「これはこれはホーエンハイム男爵。ようこそおいでください ました。皆、貴方様をお待ち申し上げております。ささ、奥へ どうぞ。8歳から10歳までの男の子を全員部屋へ集めて おきました。今日はどの子になさいますか?」 小太りの男は卑下た笑いを浮かべて言った。 「そうせかすな。まずは子供達にキャンディーを配ってからだ。 ほら、チョコレートもあるぞ。」 ホーエンハイム男爵はチョコレートをばらまいた。孤児達は 一つ一つ銀紙に包まれたチョコレートを押し合いへし合いで 地面に這いつくばり、我先にと拾い集めた。男爵はせせら笑う ように奪い合う子供達を眺めた後、満足そうに孤児院の建物の 中へと入って行った。 「嫌な奴だな。」 遠くからその光景を見ていたシエルはセバスチャンに言った。 「そうですか?でも、みなさん、喜んでいますよ。」 セバスチャンは嬉しそうにチョコレートやキャンディーを頬張る 子供達を指差して言った。 「孤児院の子供達にとってお菓子は月に一度しか食べる事が できない贅沢品なのでしょう。貧しい者への施しはいかにも 慈善家らしいやり方ですね。坊ちゃん、貧しい子供達は男爵に もらわれていくのを待ち焦がれているのではないでしょうか。 多分、もらわれた後の運命を知らされていないのだと思います。 きっと、ここよりも良い暮らしが待っていると信じて、皆、男爵に 媚へつらうのでしょう。本当の地獄が待っているとも知らずに・・・ あ、もう、出てきましたよ。意外と早いですね。」 セバスチャンとシエルは木陰に隠れた。男爵が8歳くらいの 金髪の男の子を連れて孤児院から出て来た。小太りの男は こめつきバッタみたいにペコペコと何度もお辞儀をして男爵を 見送った。手荷物一つ持たない子供を馬車に乗せて、男爵は 去って行った。後に残された子供達は美味しそうに施しを食べ ている。太陽は燦燦と輝き子供達の未来を照らしていた。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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