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あすなろ日記

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2009年12月12日
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テーマ:†黒執事†(571)
カテゴリ:「黒執事」小説
BLの苦手な方は読まないでください。

 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート



 ノルマンは手に大きなバケツとゴミ袋を持っていた。

 「無駄話はやめて早く片付けなさい。」

 ノルマンはそう言うと、部屋に入って、猫の死骸をゴミ袋に

 入れてメイドに手渡し、捨ててくるように命じた。メイドは

 黙って受け取り、軽くお辞儀をすると部屋を出て行った。

 「さっきの話はでたらめです。」

 ノルマンはメイドがいなくなったのを見計らってから言った。

 「奥様は夜の散歩の途中、足を滑らせて湖に落ちたのです。

 彼女が見た時にはもう溺れていました。幽霊話も想像に

 過ぎません。これは旦那様の言う通り悪質な悪戯です。」

 「悪戯なら何故警察に届けない?」

 シエルがノルマンに聞いた。

 「それは・・・」

 ノルマンは何か言いかけて黙り込んでしまった。

 「失礼ですが、坊ちゃんの言う通り警察に届けたほうが良い

 と思います。警察沙汰にできない事情があれば別ですが・・・」

 セバスチャンに見透かされたと思ったのかノルマンの顔色

 が変わった。

 「では、質問を変えましょう。あなたは大変お若いように見え

 ますが、何年くらい執事をなさっていらっしゃいますか?」

 「3年です。16歳の時に父の経営する会社が倒産しまして、

 縁あって旦那様が父の借金を肩代わりしてくださいました。

 それ以来、こちらで執事兼家庭教師を勤めさせていただい

 ております。」

 「ほう、坊ちゃんの教育係も兼任なさっておいでですか?

 私と同じですね。」

 セバスチャンがにっこりと笑った。だが、ノルマンは暗い顔を

 してこう言った。

 「部屋を掃除いたしますから、出て行ってもらえませんか?」

 ノルマンはバケツの雑巾で壁を拭きだした。その失礼な

 態度にシエルは何か言おうとしたが、セバスチャンはシエル

 を制して、大人しく部屋を出た。二人が部屋を出た後も

 ノルマンは一人でゴシゴシと壁の血を落としていた。

 一度描かれた魔法陣は消したくても完全には消えない。

 血塗られた歴史を象徴する魔法陣は濡れて血の涙を流して

 いた。やがてメイドが戻ってきて、ノルマンと代わった。

 ノルマンは静かに部屋を出て、スチュアート男爵の元へと

 向かった。

                            (続く)


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最終更新日  2024年02月27日 22時42分35秒
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