心を揺さぶられた詩
あまり行かない図書館に寄ったとき、あまり行かないコーナーに行って、あまり行かない種類の本を手に取りました。詩集です(笑)。『星野富弘全詩集(2)』。聞いたことがあるような、ないようなお名前…と思い、開いたところにあったのが、「小さな魚は」というタイトルの詩でした。「小さな魚は 大きな魚に食われ 大きな魚は もっと大きな魚にくわれる 人間を食らうものはいない だから人間は 隠れることも恐れる必要もない けれど人間も 逃げたり隠れたり恐れたりする 人間より強いものがいるのだ 大きなものが いるのだ」思わず、2回読み返してしまいました(笑)。人間を、頭からかじるものはいません。でも、人間は、「見えないもの」に頭からかじられてしまう。それは、人の心に潜んでいるものだったり、自分の心に潜んでいるものだったりします。そのことを端的に表現している星野さんは、中学校の先生になって2カ月足らずで、クラブ活動の指導中、脊髄損傷を負って、首から下の運動機能を失いました。それから、口に筆をくわえて、詩や絵を書くようになったそうです。動けないからこそ、「見えないもの」をよく見ることができるのかもしれませんね。「里いも」という詩もそうです。「春に埋めた一粒の種 今日 掘り起こせば 髭もじゃや 赤ん坊がごっそり 真っ暗な土の中 どんな仕掛けがあったのか 時間をかけた手品のよう 見えない幕の向こうで 誰かが微笑んでいる」以前収穫祭に行ったときに、里いもも掘ったのですが、大きな葉っぱの里いもを掘ると、もじゃもじゃな髭根の周りに、大小の里いもがびっしりついています。でも初めは、一粒の種。そう考えると、本当に手品のようです。そしてそれを育てたのも、「見えざる手」なんですよね。「夏の終わり」という詩も素敵です。「昼間が短くなるのが いやだなんて けちなこと いうなよ こんなさわやかな 空の下 今日も一日 無料で生かして もらったんじゃないか」「今日も一日、無料で生かしてもらった」という考えにハッとさせられました。お金を払って得たわけではない身体を使って、食べ物を味わうという喜びや人と語らう楽しさや、自分の体を使って働く面白さを、毎日体験させてもらっている。さらに、生きるのに適した気候、空気の濃度、それらを用意してくれているのは…?なんだか、しみじみとありがたい気持ちになりますね。とても素敵な詩がたくさんあります。星野さんの詩、オススメですよ!^^そしてお知らせです。星野さんのように、頸椎を損傷し、一命を取り留めたものの、一生寝たきりを宣告された腰塚勇人さんの東京講演が行われます。絶望のどん底から奇跡の復活を遂げた腰塚さんの感動の話は、あなたの人生のターニングポイントになるかもしれませんよ!★腰塚勇人さん「命の授業」東京講演会★日時:11月23日(火・祝日)14:00~16:00場所:めぐろパーシモンホール参加費:前売り一般2,000円、当日2,500円 (高校生1,000円 中学生以下無料)感動の「命の授業」ムービーはこちらイベントの詳細はこちらです!「素敵な詩だな~!」と思われた方は、押してみてくださ~い!↓