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ぷらいべーと・たいむ

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ちょっと お散歩 ノリタマ6983さん
漬けものな日々・・… futan2005さん
July 3, 2003
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脳裏に浮かぶ兄と妹の姿。
長い間封印しようとしてきた光景。

封印しようとしては何度も脳裏に浮かび、そのたびに身体を掻き毟ってきた。

そのことさえ、今はもう、遠い過去の出来事。
そういうものの一つになってしまったようだ。
私の中で消化できたということなのかもしれない。

SMクラブで働く前までは、
相方と出会う前までは、ずっとひっかかっていたように思う。

あの日あの時、兄と私は、2階の十畳間でゲームをしていた。
下では、父と母が塾に来た生徒を教えていた。
そう、それは普段どおりの、いつもの光景だった。

兄が言い出した。
ゲームに負けたら 「懲らしめの鞭」だと。

そして私はゲームに負けた。

「懲らしめの鞭だからな」

そういって兄は妹のパンツを脱がせた。
私は部屋の隅においやられた。

竹の棒でアソコをつつく。

その棒は、兄が親の金を盗んだ時に、鞭として使用された棒だった。
アレで叩かれると、一発で青痣ができる。めちゃくちゃ痛いらしい。
兄が悲痛な叫び声をあげていたのをよく覚えている。
よほどのことがない限り、母はアレを使わなかった。
私はまだそれで叩かれたことはなかった。
私はその棒を目にするだけでびびってた。

でもその棒は鞭としては使用されなかった。
アソコをいじるために使われた。
逃げようとすると、 「動くな」と殴られた。
「なめるぞ」といわれた。
わけがわからず、されるがままになっていた。

なにをされているのか・・・
兄は何をしたいのか・・・
よく理解できなかった。
何をされてるのかよく分らなかった。

ただ最後に、
「このこと親にゆったら絶対フクロやからな」といって殴られた。
そう言われたことだけが怖かった。
まだ鼻水たれのおバカなガキだった私は、後々まで、フクロ(袋叩き)という意味を自分が袋詰にされることと勘違いしていて、
いつかは、袋に詰められて捨てられるのではないかと、びびっていた。

・・・ちょうどその頃の私には、死が身近にあった。

「もうすぐハルマゲドンがくる。21世紀はない。」

物心つかない頃から、私は「エホバの証人」の教えを信じていた母にそう教え込まれていた。
エホバの証人の教えをしっかり守る人だけが、ハルマゲドンを生き残れると。
私も、あの頃は、そう信じていた。信じていたというか、教えられるがままに、その世界観を受け継ぎ・・・、世界とはそういうものだと思っていた。

私も、ハルマゲドンで神に滅ぼされるのかもしれない。。。

「エホバの証人」の信者しかいないような楽園なんて、生き残りたいと思わなかったけど、ただ滅ぼされるのは怖かった。

でも、それより前に、私は兄に殺されるのかもしれない。
兄に会うたびに殴られ蹴られ、そんな予感が強くなりだした。

いや、殺されるのではない。兄の眼の前で死んでやりたい。
どんな死に方がいいだろうか、一番えげつないだろうか・・・
この窓から飛び降りて死んでやろうか。
それともナイフで首を掻ききってやろうか。
ガソリンをかぶって火あぶりになるのも見事かもしれない。
父親を庇って包丁で刺されるのもいいな・・・。
いや、このまま、兄に殴られてるそのままに、意識をなくしてしまいたい。
そうすれば、皆兄のせいにするだろうから。兄が一番ひどい悪者になるだろう。

どず黒い思いばかりが私の心を支配し、
私は、常に自分の死様ばかり考えていた。

私が死んだら、親は泣いてくれるかな・・・。
お葬式には誰がきてくれるだろうか・・・。

兄は後悔してくれるだろうか・・・。
一生後悔すればいい、眼に焼きつけてさせてやる私の死様・・・

ベットの中で、そんなことばかり想像していた。

さみしくてどうにも苦しくて生きていることが怖くて、
なぜ私は生まれてきたのだろうか・・・、
エホバ(神)はなんの為に、私をこの世に存在させたのだろうか、と思い、
自分が今ここに存在しているということ、その意識を消そうと、とにかく目をつぶって眠ろうと努め、でも眠れず・・・、眼はどんどんと冴え渡り、
天井を見つめると、その天井がだんだん私に向かって降りてくるような感じがし、息が詰まりそうに苦しくなり、
壁に身体を何度もぶつけ、窓から飛び降りたい衝動にかられ、でも、いざ窓から飛び降りようとしても、後もう1歩が踏み出せない・・
どうせならうちの家庭に嫌味ばかり言うあの大嫌いな姉妹(「エホバの証人」の信者)のマンションまで行って、そこから飛び降りてやろうなんて思って、
夜中にそっとそのマンションに出かける用意をするために服を着替え、でもそういう準備をしているうちに、その衝動は、さめてきたり・・・
結局死ぬことはできず、代わりにペンを取って、泣きながら、遺書を何度も書き直していたあの頃。

*************************

時は経ち、かろうじて私は生きていて、
あまり良い思い出のない実家を出ることによって親から解放された私は、
親が入っていた「エホバの証人」の宗教団体を、自らの意思として離脱し、
大学生活をそれなりに楽しみ、来ないといわれてきた21世紀を当然のようにむかえ、
そんな時の流れにあわせて、私も人並みの仕事に就いて、
会社側から与えられたそれなりの責任を果たすように努力する日々を送るようになった。

縁もない、知り合いの誰一人いない街での、新社会人生活。
覚えなければいけないことだらけだし、思っていたより営業活動はつらいし、
営業数字を達成しないと上司からチクチク言われるし、
初任給は少ないのに最初の引越し代やスーツ代などの出費はかさむし、
月末に貯金通帳見ると数百円しか残ってないし、
しんどいことの方が多かったけど、
あの頃のような激しい衝動はなく、泣くこともなかった。
なんとなくの毎日・・・、
生きたいとも死にたいとも思わずに、
ただ日々が過ぎていっていた。

幸せ?昔と比べたら・・・そうでしょ?
分らないけど、平穏な毎日。
あの頃みたいに、必死ではない。
生活自体は大変でも、必死になって生きてはいない。
生きてるし死んでるし。社会人に卒業はないし。
会社の歯車として、ずっとこのまま、毎日が続いていくのかもしれない。
先輩社員を見てると、私も4年後くらいには昇進して室長になるのかもしれない。
別になりたくないけどなるのかもしれない。先が見えてしまう。
でも、自分はどうしたいのか、どうなりたいのか、それが全く見えない。

普段は、この生活でけっこう満足しているように思う。
でも、時々、なんか物足りない気がする。

あの頃には決して戻りたくないはずだったのに。
めちゃくちゃつらいはずだったのに。
毎晩、泣いて祈って泣いて祈って、頭が割れそうになるくらい泣いて我を忘れて身体を掻き毟った・・・。

あの必死さが懐かしい。

刺激が欲しい。我を忘れるくらいの・・・
生きていると感じたい。胸の奥が疼く。

そんな夜に電話をかけた。東京の某SMクラブに。
「そちらでアルバイトの募集をみたのですが・・・」
すぐに面接の日取りが決まった。





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Last updated  July 5, 2003 09:59:58 AM
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