黄色が好き
好きな色は?と聞かれたら今は即座に黄色!と答えられる。しかし働いていた頃、隣合わせの同僚とよくお喋りしていて彼女が「私、黄色大嫌い!」と言ってから黄色好きは封印した。今思えば「へえ、そうなんだ。私は黄色が好き。」と躊躇なく言えるのだけど。当時はそれが言えなかった。気づくと私は周りの人に気を使いすぎて、自分を消していたことに今更ながら気付いた。私はこれが好きなの。これがやりたいの。これが食べたいの。これは気が進まないの。自分の気持ちを後回しに相手に合わせて、それが正しい付き合いだと思い込んでいた。今思えば当時の私は人に合わせすぎて、私自身の個性がなくて人間としての魅力が無かったと思う。結局そんな付き合いが苦しくなって居心地が悪くなり、相手からも不審がられ、関係性も悪くなり、いつの間にか疎遠になる。その繰り返しの人生だった。これからは自分ファーストで行く。自分の気持ちに正直に相手の反応にビクビクせず、それで駄目になっても仕方がない。相性が悪かっただけと諦める。自分に正直なうえで相手も尊重し、誠実に接すれば何の問題もない。外で人と接して辛い思いをしても私には帰る家がある。「黄色好きなんて変わっている。気持ち悪い」と言われて嫌な気分になっても家に帰って温かいコーヒーとクッキーを食べてひと息入れればリセットできる。好きで選んだ黄色のクッションのソファに体を沈めて。