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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年12月30日
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テーマ:中島みゆき(22)

12月の詩(うた) ~その2~


 前回のSION「12月」に続き、邦楽の"12月もの"をもう1曲取り上げたい。曲のタイトルは同名だけれども、今回は漢字表記で「十二月」。1988年発表の中島みゆきのアルバム『グッバイ・ガール』からの1曲である。いわゆる"ご乱心"直後の時期のアルバムで、曲によってはロック色もわりに濃い作品である。収録曲の中には美しい曲も複数含まれているのだけれど、とりわけ異色な輝きを放っているのが、この「十二月」である。

 ドラマチックな曲調の中、とにかく歌詞が暗い。のっけから「自殺する若い女が この月だけ急に増える/それぞれに男たち 急に正気に返るシーズン」である。話は少し脱線するが、中島みゆきの"暗い歌"といえば、「うらみます」(1980年の『生きていてもいいですか』に収録)が有名である。けれども、「うらみます」と「十二月」の間には根本的に違っている点がある。それは、「うらみます」が1人称で語っているのに対し、この曲は客観的に3人称を語る形式という点である。実際の詞を見ると、「うらみます」では、「うらみます あんたのこと 死ぬまで」と"私"が主語になっているのに対し、この「十二月」では、「何万人の女たちが あたしはちがうと思いながら/何万人の女たちと 同じ時がついてしまう月」といった具合だ。

 思うに、中島みゆきの詩人としての真骨頂はこうした第三者的語りの中によく見られる。そしてヴォキャブラリーの豊富さと、時折はっとさせられる詞的技法が組み合わさって、鋭い風刺や世の中に対する見方となって現れているように感じる。こうした観点から優れた曲と言える中島みゆきの作品は、他にたくさんあると思うのだけれど、この曲に関して述べれば、クリスマス・年末といった世の中の騒ぎの中で、世間が触れたがらない暗い部分を平然と歌ってのけるところに魅力があるのだろう。

 上の冒頭部分の詞の後のフレーズは、「大都会の薬屋では 睡眠薬が売り切れる」というものだが、その後には「なけなしのテレビでは 家族たちが笑っている」という鋭い風刺めいた詞が続く。かと思うと、セカンド・ヴァースでは、実にストレートに「付き添いの誰もいない女たち 運ばれてゆく」と歌ってみせる。最後は「人恋しと泣け 十二月」と各ヴァースを締めくくる。

 暗い内容ではあるが、詩人としての中島みゆきの本領が発揮された曲の一つだと思うし、12月に年末を迎える喧騒の中、世のこうした"暗い側面"にも目を向けるいいきっかけの曲かもしれない。


[収録アルバム]
中島みゆき 『グッバイガール』 (1988年)


関連記事へのリンク:

12月の詩(うた) ~その1~ へ 




 
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