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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年02月24日
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テーマ:洋楽(3291)

やっぱりフォリナーはこの声でないと


 「ガール・ライク・ユー(Waiting For A Girl Like You)」や「アイ・ウォナ・ノウ(I Want To Know What Love Is)」といったヒット曲で知られるフォリナー。70年代後半に登場し、“アメリカン・プログレ・ハード”の代表格とされるも、ポップ寄りの“売れ筋路線”に走り、80年代前半~半ばには巨大なセールスを上げることとなった。

 そんな絶頂期を迎えたフォリナーだが、売れ筋バラード路線に嫌気をさしていたのがヴォーカリストのルー・グラムだった。彼は次第にソロ活動を志向するようになり、1987年に『レディ・オア・ノット』、89年には『ロング・ハード・ルック』と2枚のソロ・アルバムをリリースし、ついに90年にはフォリナーを脱退してしまう。最大の原因は、バラード路線を推し進めてきたメンバーのミック・ジョーンズ(ギター)との確執だった。

 バンドを代表する“声”を失ったフォリナーは、新たなヴォーカリストを迎えてアルバムを発表するがセールス的に不発に終わる。折しも90年代に突入し、音楽シーンの状況は大きく変わっていこうとしていた。グランジをはじめオルタナの波が押し寄せる中、産業ロック~MTV全盛時代を突き進んできたフォリナーにとって、売れ筋バラード路線を続けるにはもはや限界があることも見えていた。そんな中、一度は脱退した“ヴォイス・オブ・フォリナー”ことルー・グラムを再びメンバーに迎え入れ、1994年に発表したのが本作『Mr. ムーンライト(Mr. Moonlight)』である。

 上述のような経緯を経たせいか、『Mr. ムーンライト』では、かつて全盛を極めたバラード路線はかなり抑え気味で、全体的には、音の厚みを増したロック・サウンドに回帰している。バンドの演奏も、『4』(1981年発表の第4作アルバム)の頃に戻ったかのように生き生きとした、ある意味、フレッシュさが戻っている。3.「アンティル・ジ・エンド・オブ・タイム」や9.「アイ・キープ・ホーピング」のようなミドル・テンポの曲も含まれているものの、アルバムの中核はむしろヴォーカリスト、ルー・グラムの志向していた、ロック然としたナンバーにあると感じられる。1.「ホワイト・ライ」、4.「オール・アイ・ニード・トゥ・ノウ」(アルバム・タイトルの“ムーンライト=月光”というのはこの曲の詞から来ていると思われる)、8.「ホール・イン・マイ・ソウル」、10.「アンダー・ザ・ガン」といったところがその典型である。

 こうしたギターに重きを置いたロックサウンド回帰の傾向を端的に示すのが、7.「ビッグ・ドッグ」というインスト曲である。ところが、本盤の後、フォリナーのアルバム制作は滞り、2003年にルー・グラムは再びバンドから脱退してしまう。ルー・グラムの再脱退後、フォリナーはメンバーチェンジを繰り返し、現在では唯一のオリジナル・メンバーとなったミック・ジョーンズ中心のバンドとして存続している。結果論かもしれないけれど、現在から見れば、上述の「ビッグ・ドッグ」は、バンドの大きな岐路となり得た曲だったように思えてならない。この路線が続けば、ルーの再脱退もなかったかもしれない。それどころか、1990年代後半~2000年代にかけてフォリナーというバンドの最盛期がもう一度訪れたかもしれないという気がする。しかし、現実はこれとは違っていた。本作『Mr. ムーンライト』からは、3.のような曲がシングルカットされ、米国でアダルト・コンテンポラリーのチャートに入るような売り込み方がなされてしまった。レコード会社の方針か、はたまたファンに根付いたイメージというものが強くてそれを払拭できなかったのかはさておき、7.のような路線を深めていくことはできなかった。それどころか、本盤が20世紀最後の(かつルー・グラム所属最後の)アルバムとなってしまったのは残念である。

 蛇足ながら、日本盤には追加曲12.「クラッシュ・アンド・バーン」が収録されている。キャッチーな曲ではあるが、ギターのサウンドとルー・グラムの歌声がうまく融合されたいかにもフォリナー的ナンバーであるので、興味のある方は日本盤を探してみてもらいたい。



[収録曲]

1. White Lie
2. Rain
3. Until The End Of Time
4. All I Need To Know
5. Running The Risk
6. Real World
7. Big Dog
8. Hole In My Soul
9. I Keep Hoping
10. Under The Gun
11. Hand On My Heart
12. Crash And Burn *日本盤ボーナス・トラック

1994年リリース。




 
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Last updated  2016年02月04日 22時03分39秒
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