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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年07月09日
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テーマ:洋楽(3290)
いい意味で肩の力が抜け円熟みが増した91年作


 ボブ・シーガー(Bob Seger)は60年代から活動し、地元デトロイトのローカル・ヒーローからやがて全米のメジャーへと活動の幅を広げていったミュージシャンである。全米をターゲットに大きなセールスを上げた『ライク・ア・ロック』(1986年)から5年。ボブ・シーガーとシルバー・ブレット・バンド(Bob Seger & The Silver Bullet Band)が久々に放った正統派アメリカン・ロックアルバムが本盤『ザ・ファイアー・インサイド(The Fire Inside)』である。 

 ボブ・シーガーというミュージシャンが演るアメリカン・ロックというのは、数多い同系列のアーティストの中でもとりわけ心地よく聴くことができる。それはきっと、メジャーなアーティストの名を挙げて比較するならば、ブルース・スプリングスティーンほどに気負い過ぎておらず、かといってトム・ぺティのようなスマートで巧妙な部分が耳につかないからだと思う。言い換えれば、難しいことを考えていないというか、思いつくまま単純にやっているというか…。いやはや、このような言い方は失礼とはわかってはいるつもりではあるし、実際にはいろいろ考えてアルバムを作ってるはずなのだけれども、思わずそう考えさせるような部分が彼の良さだと言いたいわけである。つまりは、潔く、シンプルに、体内から湧き出すままに、“自然体”という感じが強いから、そう感じさせるのだろう。

 上述のようにボブ・シーガーという人は早くからそのキャリアをスタートさせていて、本作リリース時点では既に46歳であった。この年齢のせいか、この頃の彼はいよいよ円熟味が増し、いい意味での余裕が出てきている。肩に力が入りすぎず、かといってリラックスしているわけでもない。“キメる”部分はしっかりときめて、力を抜く部分(もちろん手抜きという意味ではない)は力まず、上で述べたような“自然体”がなお一層自然に感じ取られる。

 筆者の本盤でのお気に入りは、1.「テイク・ア・チャンス」のような典型的ロックチューンはもちろんのこと、肩の力の抜け具合が心地い表題曲6.「ザ・ファイヤー・インサイド」がとくにお勧め。さらには、トム・ウェイツの曲である11.「ブラインド・ラヴ」の力の抜けた自然さや、同じくトム・ウェイツ・ナンバーの7.「ニュー・コート・オブ・ペイント」の余裕と風格漂う歌と演奏、、歌いあげるタイプのスローナンバーの10.「ザ・ロング・ウェイ・ホーム」も同じく円熟味の感じさせる。他の曲も粒揃いで、上で述べたような力の入れ/抜き加減がお見事なのだが、ゲスト参加という点でも豪華で見逃せない1枚である。ほんの一部だけ名を挙げておくと、パティ・スマイス、J・D・サウザー(共に2.、3.のコーラス、前者は9.でもコーラス)、ブルース・ホーンズビー(3.のアコーデオン、5.のピアノ)、スティーヴ・ルカサー(6.のアコギ、10.のエレキギター)、リック・ヴィトー(10.、12.のスライドギター)などといった具合だ。

 1990年代を迎え、とりわけ日本ではこの手の音楽が明確に“流行遅れ”の対象となった。そのため、一世を風靡したはずのボブ・シーガーも、日本盤すら発売されないという時代に突入していく。米国でも徐々に“時代遅れ”のものと認識されていくことに違いはないが、その時代遅れの音楽に比してどれだけのリスナーがいるかという層の厚さは日本とは異なる。個人的には身に染みついた音楽なのだけれど…。



[収録曲]

1. Take a Chance
2. The Real Love
3. Sightseeing
4. Real at the Time
5. Always in My Heart
6. The Fire Inside
7. New Coat of Paint
8. Which Way
9. The Mountain
10. The Long Way Home
11. Blind Love
12. She Can't Do Anything Wrong

1991年リリース。




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