テーマ:洋楽(3502)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
曲ごとに表情が変わる豊かなヴォーカル ミニー・リパートン(Minnie Riperton)は、1947年シカゴ出身の女性シンガー。1963年にはジェムス(Gems,後にグループ名も変更)というコーラスグループの一員としてレコード・デビューし、1966年にはこのグループを脱退してアンドレア・デイヴィス(Andrea Davis)としてソロ・シングルを出している。さらには、ロータリー・コネクション(Rotary Connection)というロック/ソウルのグループに加わり、リード・シンガーを務めた。 1970年にミニー・リパートンとして改めてソロ・デビューし、その後、1974年にリリースされた第2作が本盤『パーフェクト・エンジェル(Perfect Angel)』である。このアルバムは、スティーヴィー・ワンダーがプロデュースしているが、スティーヴィーとの関係はビジネスライクなものではなかったようだ。ある時、スティーヴィーのライヴ会場でミニーが話しかけた際、最初はファンの一人としか思っていなかったスティーヴィーは、彼女の名前を知ると逆に賛辞の言葉を送った。この出会いは結局、本盤のプロデュースに発展したという。つまり、スティーヴィーはもともシンガーとしてのミニー・リパートンを知っていて、注目していたのだった。 そのようなわけで、スティーヴィー・ワンダーはプロデュースのみならず、曲提供(3.「テイク・ア・リトル・トリップ」および表題曲の6.「パーフェクト・エンジェル」)をしているほか、“エル・トロ・ネグロ”(スペイン語で“黒い牛”)の変名で、ピアノ、ドラム、ハーモニカなどを担当し、演奏に参加している。さらに、アルバムのブックレットには“ある特別なファン(A Very Special Fan)”からの手書きメッセージが掲載されているが、このファンというのもスティーヴィーとのこと。 スティーヴィー・ワンダーが惚れ込んだだけあって、彼女のヴォーカルは音域が広くしかも表情が豊かである。何よりも曲ごとにその表情が変わるのがいい。中でもおすすめの曲は、3.「テイク・ア・リトル・トリップ」、5.「ジ・エッジ・オブ・ア・ドリーム」、6.「パーフェクト・エンジェル」、9.「アワ・ライヴズ」。もちろん、シングルとしてヒットした8.「ラヴィン・ユー」は、本盤を知らぬとも必聴の曲である。 本盤自体は全米4位となり、本盤からのシングルである「ラヴィン・ユー」は全米1位、全英2位のヒットとなった。1979年に31歳の短い生涯を閉じた彼女にとって、最大のヒット作となった。上述のスティーヴィーとの関係にはさらに後日談がある。乳がん手術後に転移が発覚し、もう長くはないという状態で入院した翌日、スティーヴィー・ワンダーが見舞いにやってきた。スティーヴィーは「ミニー・ゲット・ウェル・スーン」という曲を書いてきていて、ミニーの前でそれを歌ったという。そしてミニーは“私が待っていた最後の人物がやって来た、すべてよくなるわ”と言ったという。結局、彼女は翌朝に夫と子供たちに看取られて亡くなった。 [収録曲] 1. Reasons 2. It's So Nice (To See Old Friends) 3. Take a Little Trip 4. Seeing You This Way 5. The Edge of a Dream 6. Perfect Angel 7. Every Time He Comes Around 8. Lovin' You 9. Our Lives 1974年リリース。 ![]() Minnie Riperton ミニーリパートン / Perfect Angel 輸入盤 【CD】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年07月30日 05時36分09秒
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