ぼたんの花

田母神さんの論文事件が話題になった時に、麻生さんの発言やトヨタの社長のアホなコメントと続き、私は”まったく最近のトップは、アホなことばかり言うわよね～”と事務所でTさんに言った。そうしたら、少し離れたところに立っていたKさんが、『ぼたんさん、それってうちの会社のことじゃないですよね♪』と。普段、冷静で余計なことは言わないKさんが言った。確かに最近、仕事のことでも『えっ???』と思うことをトップは言う。


しかし、普段はそういう発言はしないKさんが、それに私が話しかけていないKさんが言われたので、私は一瞬、どう答えてよいのかわからなく、思わず笑ってごまかした。すぐ側には、上司が二人揃っていたからだ。『違うわよ～、ほら田母神さんなんかも、アホ言ってるでしょう。あれが幕僚長？って感じでしょ？』とKさんに言うと、支店長が、『そういうことを言うもんじゃないよ。自衛隊であそこまで登りつめた人には、それなりに豊富な経験と実績があるんだろうし。それにな、イラクへ行って、もし襲われたら何にもできないんだぞ。それを考えたら幕僚長が言ってることは間違っていないよ。』と。



『ですからイラクに自衛隊を派兵したこと自体が憲法違反なんですから。そこから考えないと。』と私。もちろんKさんも、『そうですよ』と。ところが支店長は、『ちょっとまてよ。お前な、もし北朝鮮のミサイルがここにある、と考えてみろよ。お前、どうする？』『いや、北朝鮮は日本には核を打ち込みませんよ。それに北朝鮮の核だけで日本の行末を決められません』と私。『だって実際に核実験をしてるだろ』と支店長。


『いえ、実際はしていません。あの時、放射能を観測したと言ったのはアメリカだけ。日本と韓国は、放射能は観測されていないですよ。』『そういってもテレビのニュースでやっているだろう』『テレビが正しい報道をしているとは限りませんっ。』『お前なぁ、じゃ、NHKや朝日新聞が嘘をいうのかっ！』『はい、少なくとも本当のことを言わないことが最近は特に多いですよ。』『じゃ、お前は何を見て言っているんだよっ』『本です。本を読んだり、講演を聴きにいったり。』『あ、そ、じゃ、話はこれでおしまいっ！』『戦争になる時は、既存のメディアは、まったくあてにならないのは昔も今も同じですよ』と私。


支店長は、じゃあな、と言って私に手を振る。。。田母神さんだけではなく、企業でも政治の世界でも、今、トップに立つ立場の世代は、かなり人材が劣化している。私が若い頃は、上司は、常に上司でいてくれた。それは、私が若かったからではない。上にたつ立場の人が、この程度の認識。しかし、これは現代に限ったことではなく、世界がおかしくなってくる時は、何時の時代もこういう風が吹くのかもしれない。




ところで、田母神論文と呼ぶには、あまりにも酷い。作文と言ったほうが相応しい。
この”作文”の中の田母神さんの歴史認識に文句をつけるつもりは無い。歴史というものは、見る角度によっていろいろな面が見える、ということだと私は思うから。この作文で問題なのは、『私は日米同盟を否定しているわけでは無い。アジア地域の安定のためには良好な関係が必須である。但し日米関係は必要なときに助け合う良好な親子関係のようなものであることが望ましい。子供がいつまでも親に頼りきっているような関係は改善の必要があると思っている。自分の国を自分で守る体制を整えることは、わが国に対する侵略を未然に抑止するとともに外交の後ろ盾になる。諸外国では、ごく普通に理解されていることが我が国においては、国民に理解が行き届かない。』

今、アジアを不安定にさせているのは、いったい何処の国？その尻馬に乗って、米軍と連携し、国民が貧窮しているのに大量に米国債を買うことによって米国の戦費を拠出し、日本国の憲法をも無視させ、イラクに『専守防衛』のはずの自衛隊を派兵し、世界を不安定にしている国は何処の国？田母神さんの地図には、中国大陸と朝鮮半島とアメリカしかないようで、こんな人が自衛隊のトップにいるというのは、やはり問題でしょうね。

しかし、専守防衛であり、戦争放棄の憲法を持ちながら、日本の軍備は世界の上位にあり、そして戦火の中のイラクに戦えない自衛隊員を送り込んだ。こういうことをさせたのは、一体、誰ですか？政府与党、公明党と自民党であり、”イラク派兵反対！”の意志を行動で示さなかった日本国の多くの有権者ですよ。






ところで、田母神さんの言われる、日米関係が”必要な時には助け合う良好な親子関係”と書いていますが、良好な親子関係という概念が、どうもわかりませんが。自分の欲しいものを手に入れるのに親であるアメリカのようなやり方に、子である日本は、一緒に略奪、強奪、レイプ、侵略の手助けをするのが、子である日本の生きかたなのでしょうか？良好な親子関係とは、親が間違ったことをしたら、たとえ子供でも親を諫めるのが良好な親子関係なのではないでしょうか？それともヤクザな親、アメリカに育てられた子である日本は、やはり裏街道を行く道を選ぶのでしょうか？


さて、この日本の状況を天国から見ている、アジアのために戦った靖国に眠る英霊の方々は、幕僚長であるタモさんの幼稚な作文を読んで、どんな気持ちでいるでしょうかね・・・