「歴史人 蔦屋重三郎とは何者なのか?」
来年の大河ドラマ「べらぼう」の主役である「蔦屋重三郎」。何年か前の北斎の映画で阿部寛が演じていたなあというぐらいで全然知らない人。今風に言うと流行仕掛け人、プロデューサーだったことがこの本を読めば分かる。現代の人だと角川春樹のようなものか。山東京伝、恋川春町、太田南畝、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、滝沢馬琴、十返舎一九…。関わった文人墨客は数知れず、きっと大河も群雄割拠の作家や浮世絵師を売り出す話になるだろう。この本はさらに吉原や長屋暮らし、田沼意次の重商主義と松平定信の寛政の改革、将軍家治と家斉の治世にまで触れている。なじみの薄い時代だけに興味深く読んだ。大河は田沼役が渡辺謙と発表されているし、楽しみだ。