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カテゴリ:【本】ムーミン
9巻あるムーミンの小説も、読んでいないのは残り2冊になりました。
その2冊のうち、最後に読む予定の『小さなトロールと大きな洪水』は、物語が書かれた順序としては一番最初です。 (絶版していたことにより、広く知られるようになったのは一番最後になったとのこと。)
そのため、今回読んだ『ムーミン谷の十一月』が、ムーミン物語の最終巻になります。
ところが、ムーミン一家が出てきません。 それを知らないまま読むと、拍子抜けすると思います。
『新装版 ムーミン谷の十一月』 ヤンソン 講談社文庫
今回のブログの目次 ・ムーミンの小説一覧 ・登場キャラクター ・お話の内容
【ムーミンの小説一覧】
1 ムーミン谷の彗星 (読了) 2 たのしいムーミン一家 (読了) 3 ムーミンパパの思い出 (読了) 4 ムーミン谷の夏まつり (読了) 5 ムーミン谷の冬 (読了) 6 ムーミン谷の仲間たち (読了) 7 ムーミンパパ海へいく (読了) 8 ムーミン谷の十一月 (今回読んだ本) 9 小さなトロールと大きな洪水
【登場キャラクター】
今回のお話は、ムーミン一家が不在のムーミン谷で、 ・ホムサ ・フィリフヨンカ ・ヘムレンさん ・ミムラねえさん ・スクルッタおじさん ・スナフキン の6人が共同生活を始めるというお話。
ムーミンのお家に勝手に入り、食料の残りを勝手に食べ、生活します。
またまたスニフが出てこなかったのですが、一体どこへ行ったのでしょうか……。
そしてムーミン一家ですが、お話も終盤となる300ページ目で、冬ごもりのために家に向かい始めたと書いてあります。 島に移住してもう戻ってこないと思っていたのですが、冬の間だけムーミン谷に来るのでしょうか。
【お話の内容】
今回は第21章まであり、章が細かく分かれています。
読み終わった後は、このお話が最終巻かぁ……と、あまりすっきりしない気持ちでした。 (ただネットを見る限り、ムーミンのお話の中でもこの本が1番好きという方も複数いらっしゃるので、あくまでも私の感想ですが……。)
印象に残ったのは、お話の最初のほうで、キャラクターが自分自身について思っている内容です。具体的には、 「わたし、もう、フィリフヨンカになっているのなんて、いやになっちゃったわ。」(p.35) というフィリフヨンカや、 「ああ、いやだなあ。もう、ぼくは自分がいやになった。なにか、ぼくの知らない、ちがったものになりたいなあ。」(p.45) というヘムレンさんの言葉です。
(一方で、ミムラねえさんは 「わたし、ミムラに生まれて、ほんとうによかったわ。頭のてっぺんから足のつま先まで、とてもいい気持ちだもの」(p.92) と自分で自分に満足していて、対照的ですね。)
そんなフィリフヨンカもヘムレンさんも最後には、しないではいられない、したくてたまらないことや、しなくてもいいことに気づいて、自分の家へ帰っていきます。
自分以外の何か、他の人に生まれ変われなくたって、自分の性質を活かして、やりたいことをやる。
そして、たとえムーミン一家に会えなくても、6人の共同生活の中で気づきを得て前に進む。
そこから私は、 自分は自分だし、誰かに頼らないで自分でやりたいことを見つけていくんだよ ということだと受け取りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.11 10:35:59
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