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カテゴリ:【本】ディズニー
東京ディズニーランドで、清掃スタッフとして約8年間働いた著者による本。
『ディズニーキャストざわざわ日記』 笠原一郎 フォレスト出版 2022年
著者は、57歳でキリンビールを早期退職後、東京ディズニーランドに準社員として入社。 2018年に65歳で定年退職するまで、清掃スタッフとして働いたとのこと。
これまで出ているディズニーのビジネス書や感動本には「ありのまま」の姿が描かれていないとして、この本には現場からの実態報告が書かれています。
その中でも印象に残ったのは、 ・キャスト(スタッフ)内のディズニー愛の個人差 ・労働組合の組合費(月1000円程度)は取られ損 ・4ヵ所あった救護室が1ヵ所だけになったのは、安全より効率を求めた結果? ・キャスト用のショップで、割引された商品を大量購入している準社員男性への転売疑惑 のお話です。 著者がキャストとして働いていたからこそ、わかったり考えたりした内容を、いろいろと知ることができました。
それから、お掃除をしている時に突然ゲスト(来園者)から「愛ってなんですか?」と聞かれたと書かれていて、大変なお仕事だなぁと思いました。 今の時代、何でもすぐネットに投稿されますから、変なことは言えないでしょうし……。
本に書いてあるエピソードから、著者は真面目で、面倒見がいい様子がうかがえます。
特に新人の佐竹君に対して、著者が心の中でかけた言葉 「慌てるな、佐竹君。どんなベテランキャストでも断られるのは日常茶飯事。気にすることはない。」(p.101) が強く印象に残りました。
また、 「オリエンタルランドにはパークを支えるキャストのことをもっと大事に考えてほしいと願っている。 キャストが未来の生活に不安を抱くことなく、子どもたちのメッセージに「大きくなったらキャストになってね」と胸を張って答えられてこそ、本当の“夢の国”といえるのではないだろうか。」(p.205) という考えに、経済的に不安定な年下のキャストたちを想う、著者の優しさを感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.05.11 00:00:09
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