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テーマ:家庭菜園(58895)
カテゴリ:大根
ネットには 様々 色々 面白い話があちこちに ??? 大根 ダイコン 1.ダイコンの古里とその由来 仁徳天皇もクレオパトラも食べたダイコン 現在、日本で栽培されている野菜の中で、日本を古里(原産)とするものは、 ミッバ、セリ、ウド、ユリ、ヤマノイモ、フキ、マッタケくらいで、私たちが日々、食べている野菜の大半が、遠く海を渡って、やって来たものです。 その中で、縄文・弥生の大昔に、既に、わが国に渡来していた野菜としては、ダイコンやウリがあります。これらの古典派野菜の仲間にはゴボウ、ニンジン、ネギなどが含まれています。 1)ダイコンのルーツを探せば 原産地について最も異論が多い作物の一つ (1)中国(主として北部)、 (2)コーカサス南部からパレスチナ地方、 (3)中央アジアと中国南部、 (4)中央アジアとインドなどがあります。しかし一般的には、コーカサス南部からパレスチナにかけてが有力視されていますが、定説ではありません。 2)古代エジプト人の重要な栄養源 ピラミッド建設(紀元前2,700~2,200年頃)に従事した労働者がタマネギやニンニク、エンドウなどと共に、ダイコンを食べていたと言う記録があります。 古代ギリシャにおいても、ダイコンはラパノスと呼ばれ、盛んに栽培されていました。貴重な野菜として、主神アポロの神殿にも奉納されていました。また、紀元1世紀のローマの作家セルウスの著書『農業』では、ダイコンの意味としてradicula(根を意味するラテン語のradixからきている)という言葉が使われています。 もっともヨーロッパ各地に広く伝わったのは15~16世紀になってからです。 3)七草粥は中国生まれ BC400年頃の古書・爾雅にダイコンが既に登場し、唐本草(656~660年)には、華南のダイコンは大形であることが記載されています。また、図経本草(1023~1093年)には、大小二種のダイコンが紹介されています。 6世紀に書かれた「荊楚歳時記」に「正月七日を人日と為す。七種の葉を似て羹を為る」と言った一節が、記されており、これが七草粥の始まりとされています。この様に、中国でもダイコンは古くから親しまれていました。 4)神代の時代のダイコン 恋の歌に詠み込まれたダイコン 日本への渡来は、かなり古い時代に朝鮮半島を経て行われました。まず、含まれているデンプンの量が少なく水分が多い華南系品種群が、その次にデンプンを多く含み貯蔵性の高い華北系品種群が、導入されました。 日本における栽培起源については明かではありませんが、日本最古の歴史書「古事記(712年)」には、次の様な仁徳天皇の恋歌が記載されています。「つぎねふ山代女(ヤマシロメ)の木鍬(キクワ)持ち打ちし大根根白(オオネネシロ)の白腕・・・」と、ダイコンはオオネと言う名で、乙女の白い腕を飾る言葉として、登場しています。 5)主役だったダイコン 大根役者が主役の時代は長かった 鎌倉時代末期の「徒然草」には、「土大根はよろずにいみじき薬」とあり、吉田兼好法師はダイコンの薬効について注目していました。 江戸時代初期には、優良品種の栽培が奨励されており、品種改良や採種の方法が工夫されています。また凶作に備えての加工法も開発され、切り干しダイコンや漬け物などが生まれました。現在、日本のダイコンの品種は100種以上にもおよび、世界最多となっています。 6)ダイコンの名前の由来 和名をオオネ、シロネ、カガミグサと言い、中国名を蘆葩(lupa)、蘿蔔(lopo)、莱フ(laifu)と表記します。なお、英語ではradishです。日本には中国を経て伝えられ、はじめ大根と書いて、オオネ(オホネ)と呼んでいましたが、いつしかダイコンと読むようになった 2.ダイコンの生態とその特性 1)ダイコンはアブラナ科一族の親玉 カリフラワーやブロッコリーもダイコンの姉妹 ダイコンは、被子植物門・双子葉植物綱・離弁花亜綱・ケシ目・アブラナ科・ダイコン属の1~2年生植物です。ダイコンと同じアブラナ科の野菜には、カブを初め、ワサビ、クレソン、カイラン、コールラビ、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ツケナ、タカナ、カラシナ、ハクサイ、ルタバカ、ケールなどがあります。 2)世界の食用ダイコン一族 (1)ハッカダイコン(var.radicula):ヨーロッパ、特に西ヨーロッパに多く分布し、アメリカにはヨーロッパから導入されました。欧米に広く栽培されています。日本には明治以降に米国から導入されました。 (2)黒ダイコン(var.niger)と言えば、表皮が真っ黒なスペインの黒ダイコンが有名ですが、元々は南ヨーロッパに広く分布し、ラテン系の人々に古くから食べられていました。中央アジアやシベリア地方にもその存在が知られています。 (3)西洋小ダイコン・北支小ダイコン(var.major)は、ヨーロッパ、特に、南ヨーロッパに多く、中央アジアにも分布しています。アジアでもモンゴルとか中国東北部、朝鮮北部などで古くから作られていました。小ダイコンと言いながらも、かなり大きなダイコンで、葉は比較的大きく、その数も多いです。しかし毛じと呼ばれる毛は少なく、根は丸形から偏球形で、表皮は白、赤、紫色などがあります。肉質は柔らかく、生食や漬物に向いています。二年生の(越冬性)ダイコン・winter radishはこのグループに属します。 (4)南支ダイコン(var.hortensis)は、アジア、特に東南アジアから中国南部に広く分布し、日本の栽培種の多くは、このグループに属します。最も大形で、最も晩生(早生の反対)の大根です。葉は大きく、その数も多く、葉柄も長いダイコンです。毛じは少なく、根の形は多様で、丸から長大なものまであります。表皮は白く、デンプンは含まず、肉質は柔らかく、煮物や漬物に利用されています。 (5)北支ダイコンは、中国北部から中央アジアに分布し、南支ダイコンの変種とも考えられます。比較的早生で、葉は濃緑でその数は少なく、毛じも少ないです。根の形は丸から長型で、あまり大きくはありません。デンプンを多く含み、肉質の硬いダイコンで、生食または漬物用に適しています。 日本の大根は 今や 青首が全国制覇した 関東でダイコンと言えば、白首大根と総称される練馬大根とか三浦大根でした。根が地中深く育ち、形も大きく、色はどこをとっても真っ白なダイコンで、ピリツと辛い味が特徴でした。 それに対して、名古屋育ちの宮重系のダイコンは、地中には浅く根を張り、成長していくと、首が地上に出ますので、光を浴びて青くなります。それで青首大根と呼ばれました。その姿・形も小ぶりで、白首大根と異なりますが、最大の違いは、食べた時の甘さです。 辛い関東ダイコンと甘い名古屋ダイコンの、ダイコン戦争の結果は、甘いダイコンの勝ちで、青首大根が全国制覇を果たしました。 (7)中国大根は、最近出回り始めました中国野菜の一種として、日本でも栽培され始めました。一般的に甘みが強いのが特徴 1-青長大根があります。円筒形で直径5~7cm、長さ15~20cmで皮、肉ともに緑色で、甘みが強いのが特徴です。 2-紅心大根は、長円形で直径7~9cm、皮は緑色で、肉は紅色で、輪切りにすると、放射状に紅色が美しく現れます。色が美しく甘味もあるのでサラダ用に使われています。 2-球形に近い長円形で直径7~10cm、皮は紅色で肉は白色の黄河紅丸ダイコンもあります。 保存の適温は5度前後で、洗ったものは冷蔵庫で貯蔵します。ただし、貯蔵の適湿度は温度0度で90~95%と高いので、ビニール袋に入れるか、新聞紙やラップフィルムで包むのを忘れないで下さい。泥つきダイコンならば、土の中に活けますと、一カ月以上も持ちます。 なお 葉そのものは栄養豊富なのですから、ぜひ切り取ってご利用下さい。 さらに、ダイコンは干したり(切り干し大根)、漬けたり(沢庵漬け)すれば、常備食として保存ができます。葉も切って陰干しにしておき、これは煮物やみそ汁の実に用いるほか、水でもどして刻み、米に混ぜてから塩を加えて炊き込んでも美味しいです。 ダイコンの部位による味や歯ごたえの違いです。 葉に近い頭部は辛みが弱く、肉質はやや硬いです。そのため、おろしや酢の物、サラダなどの生食に適しています。また、頭部ほどビタミンCが豊富に含まれていますので、その面からも生食に向いていると言えます。 一方、最も甘みが強いのは真ん中の胴の部分です。太さも揃っていますので、煮物やおでん、ふろふきダイコンに向いています。 それに対して、辛みは尻尾の方が最も強く、繊維や水分も多いため、みそ汁の具や漬け物、切り干し大根に、またピリッと辛味の効いた薬味に使います。 3)漬物と言ったらダイコン、漬物の王様だ 「たくあん」とは、剣豪・宮本武蔵の師として有名な、沢庵和尚(江戸品川・東海寺の僧)の工夫によるとされていますが、「たくあん」そのものは、平安時代から既にあり、食料のたくわえとして作ったことから、「たくわえづけ」と言い、それが「たくあんづけ」になったとの説があります。 奈良漬は、大根や白瓜などの野菜を、酒糟で漬けた漬物です。奈良で初めて作られたため、この名が付きました。平安時代から、この奈良漬を香の物あるいはお新香と呼んでいました。 4)ダイコン飯はご馳走 貴族ばかりでなく、庶民も昔から、ダイコンを愛用していました。ジャガイモやサツマイモがまだ普及していなかった時代、ダイコンは稗、粟、豆など雑穀についで、ボリュウムのある食材でした。腹を空かせた人々にとって、一時の満腹感をもたらしてくれる、単なる増量材でなく、主食並の貴重な食料だったのです。 7)ダイコンの辛みの素は 不思議、ダイコンの辛みの効用、 ダイコンおろしの辛味は、グルコシノレートと呼ばれる物質によります。これはカラシナなど多くのアブラナ科植物に広く含まれる成分で、特有の刺激的な辛味は、同時に含まれる加水分解酵素ミロシナーゼ(チオグルコシダーゼとも言います)の作用によって生じるイソチオシアネートに起因します。 では、生のダイコンやカラシナの葉や種子から、この刺激的な匂いがしないのは何故でしょう。実は、グルコシノレートはカラシナやダイコンの柔細胞に含まれているのに対して、ミロシナーゼは異形細胞中に含まれています。植物の中では互いに触れる事がなく、言うならば、別々のポケットに入れられています。それが組織が傷つけられると、互いに接触・反応し、イソチオシアネートが出来て、匂い出すのです。植物も味なことをやるものですね。 8)ダイコンの兄弟、カラシの紹介 毒にも薬にもなる、カラシの辛み マスタードとして用いられるカラシは、カラシナの種子をつぶして練った物です。ただし、あの黄色の色はカラシ自身の物でなく、混ぜ合わせるターメリックによります。 カラシ(マスタード)は、現在、世界で最も多くの料理に使われている香辛料・調味料の一つです。粉からしの中に含まれるシニグリンが、ミロシナーゼの作用を受け、アリルマスタードオイル(アリルイソチオシアネート)が生じ、辛みが生まれます。 この辛み(カラシ油:イソチオシアネート)は刺激性が非常に強く、胃腸の粘膜を刺激し、悪心、嘔吐、腹痛をもたらし、腎臓機能を侵し、蛋白尿や血尿の原因となることもありますので、取りすぎ、食べ過ぎは避けましょう。 など など 色々 はた坊 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.01.12 01:44:53
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