「サラリーマン清水港」 【監督・松林宗恵。1962年】
新聞のテレビ欄で題名を見て、どんなものかと録画。 40年以上前の森繁久弥が見られる。森繁久弥だけじゃない、加東大介、夏木陽介、草笛光子、新珠三千代、東野英治郎、有島一郎、フランキー堺と名前を挙げていったらきりがない。 新珠三千代が、社長を手玉にとる芸者の役でびっくり。 題名からわかるように、清水の次郎長の話を下敷きにしたサラリーマンもののコメディ。 主人公側は、「清水屋」という酒造会社で、敵役は、東野英治郎が社長の黒駒醸造。 主人公は石井松太郎、略して石松。千秋実かと思ったら小林桂樹だった。 専務は大政、工場長は小政というぐあい。 しかし、次郎長の話を知らなくても内容は理解できる。 酒造会社が舞台ということで、出演者の名が、みな、日本酒のラベルになっているのがうまいところ。 焼酎の原料の芋を入手するために、石松は単身(社長は浮気が目的で大阪に)四国に渡り、金比羅代参は無事に勤めるが、黒駒醸造の陰謀に腹を立てて禁酒の誓いを破り、大喧嘩。 殺されちゃうのかと思ったら、そこはそれ、コメディなので、そんなことはない。 船の中で偶然知り合った女性・都田京子(司葉子)の力添えなどもあって、めでたしめでたし。もちろん、船の中では「鮨喰いねえ」がある。 「えっ、これで終わるの」と、あっさり「終」の文字が現れた。 さっぱりしたもんだ。 庶民の娯楽として、肩の凝らないものを作ったということなのだろう。 新聞配達の少年が「スーダラ節」を歌っているのもそれを象徴している。 しかしまあ、まさに毒にも薬にもならない映画だなあ、と思ったのだが、調べたら、脚本は、「南の島に雪が降る」の脚本も書いた笠原良三という人で、かなりの作品がある。 何でも書ける職人のような人らしい。サラリーマン清水港(1962) - goo 映画 楽天ブログランキング←クリックしてください 楽天会員以外の方のコメントは「輾転反側掲示板」へ