「日本一の裏切り男」 【監督 須川栄三。1968年】
いやあびっくり。こんなクレージー・キャッツの映画があったとは。 終戦の詔勅の内容を聞き取れなかった上官(ハナ肇)の命令で特攻に出撃した主人公が、特攻に失敗してマッカーサーと一緒に帰国する。 その後、戦後の世相の節目ごとに色々なことに手を出しては裏切り裏切られを繰り返す。戦後史を描く映画になっている。 元上官は日本の再軍備を目指していたりヤクザになったり国会議員になったり転変を繰り返すが、再軍備を訴えようという気持ちはある。 安保闘争で国会周辺が騒然としている中、国会議事堂のてっぺんから主人公が客にメッセージを語りかけて終わる。 脚本が早坂暁と佐々木守で、新しいものを生み出そうという意気込みが感じられる。 こんな実験的な映画も作っていたのか。驚いた。 主役は植木等だがハナ肇の出番も多い。さらにドリフターズのメンバーまでちょっとずつ出ている。