益子直美は怒りを乗り越えた
ETVの「超多様性トークショー!なれそめ」を見ている。 今週は、元バレーボール選手の益子直美と夫がゲスト。 ふたりのなれそめや結婚生活よりも、益子直美が語った、バレーボールが嫌いだった話が印象に残った。 現役時代は、「ミスして怒られ負けて怒られて、褒められたことがなかった」「本当に怖かった、試合も大嫌いだった」という。 しかし、49歳ぐらいの時に大学の監督になり、「あんなにやられて嫌だった怒りを使ってしまったり」して自己嫌悪に陥っていき、「起きられない行きたくない」という状態になってしまった。 益子直美の優れているところは、そこで自分を見つめ直し、怒りを乗り越えることができたところだ。 怒りや感情の爆発、時には暴力で相手を試合し、意のままにしようというのは、誰でも陥ってしまうやり方だ。「怒り」には依存性があるのかもしれない。 しかし、怒りを爆発させようがさせまいが結果は変わらないし、精神的にはよい結果にはならない。 合理的に考えれば、過剰なストレスを与えない方法の方がいい。 怒りに頼る人は、ほかの方法を知らないためにそうしている場合が多いのだろう。 自分を客観視できる人、冷静に考えることができる人なら怒りを乗り越えることができると思うのだが、自分を客観視できない人も多い。相手のためという口実で怒りを表に出しているが、実際は自分のためでしかない、自己満足でしかないことに気づくことができないのだ。 益子直美は、自分の経験を踏まえ、監督が怒らない大会を開催しているという。 怒りを乗り越えることができた生き方は、敬服に値する。