カテゴリ:真空管
ご縁があってYO-186という真空管を譲っていただきましたので紹介します。
旧ソ連製で、特性はPX4類似と云われています。 ソケットのピンがバナナではなく独自の割ピン型です。 合理的といえば合理的ですが....。 PX4系の記事に関しては「PX4という真空管」、「4XPという真空管」、「PP3/250という真空管」を参照ください。 規格がわからないですが、 audio-dbのを見たところ、PX4より高耐圧のようです。 rpはどうなんでしょうか。 PX4は実測で1000~1100Ωくらいで、PP3-250は1300Ωくらいです。 フィラメントはコイルスプリングでの3点吊りです。 フィラメント点灯した様子。 etracerで特性を測定しましょう。 実は、片方は高圧でIpカーブが浮き上がり、もう片方は500Vで放電しました。 これは古い球ではNOSであっても希にあることです。 よりまして、Ep250V以下に抑え負荷を高目の5kΩにして小出力仕様とするのが無難そうです。 なので今回のIp特性は450Vまでにしました。 高圧を掛けないかわりに、Ep=250VのIp=40mAで、ガッツリ流れるところで測定します。 【1本目】 Ef=4.0V, If=1.02A Ep=250V Eg=-42.1V Ip=40.48mA rp=1334Ω gm=2989μS μ=4.0 【2本目】 Ef=4.0V, If=1.02A Ep=250V Eg=-41.9V Ip=39.78mA rp=1251Ω gm=3004μS μ=3.8 数値を見ると、PX4よりrpが高くバイアス5Vほど深く..なのでgmも低目ですね。 総じてYO186は「PX4類似ではあるがPX4より若干低感度な設計」と思われます。(Ipカーブを見ても疲れた感じはしません(ほぼNOSと云って良い)ので、私はそう考察しております) ただ250Vでのバラツキは殆ど無いので、そこはとても優秀です。 今回、3.8Vの特性の画面をとりわすれてましたが、 0.2V下げてもgmはそれほど殆ど落ちないので、エミッションは良好です。 Ipカーブの高圧側での浮きに関しては、5kΩの負荷で小出力域では全く問題ないと思われます。 大出力域では波形が若干潰れ気味になると予想されますが、高能率スピーカーを使っているので全く問題ないでしょう。 今回の測定によって、確かにYO186はPX4類似といえることがわかりました。 バイアスはやや深めの-40V前後で40mA前後ですので、PX4と挿し換えるときは電流値に注意したほうがよいかもしれません。(そしてやはりrpが若干高目な印象です) なかなか手に入らない球なので、大切に使いたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 12, 2023 07:49:56 AM
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