鈴懸の木とは
数日前、「新緑の鈴懸の木の写真を掲載してください」という読者からのリクエストをいただいた。 数少ない読者は大切にしなくては。 さっそく駿府公園を訪ね、このプラタナスの木を撮影。 しかし、遠目には「鈴懸」の姿は判別できない。 これでは仕方がないので、ズームで撮影した鈴懸の実を組み込んでみた(7/21撮影)。 鈴懸の木(プラタナス)はスズカケノキ科の落葉高本。 この垂れ下がる実の姿が、山伏(やまぶし)が着る「篠懸(すずかけ)」についている房に似ていることから名付けられたという。ちょっとピンぼけだが、この写真を見れば納得いただけるだろう。 プラタナスは悪い環境に耐えてよく成長するため、世界の温帯地域を中心に街路樹や並木として広く植栽されている。日本には、明治の末期に渡来した。 この仲間には中近東原産のスズカケノキ、北米原産のアメリカスズカケノキ、その交雑種のモミジバスズカケノキの3種があり、これらを総称してプラタナスと呼ばれる。 中でもいちばんよく見かけるのはモミジバスズカケノキで、樹皮が大きくまだらに剥げるのが特徴だ。 ところが、街路樹として植えられているプラタナスには、ほとんど実がつかない。その理由は私にはよく分からないが、鈴懸の実が鈴なりになっている姿は、公園などでなければなかなかお目にかかれないようだ。 私もまだ、駿府公園のこの木しか、実をつけたプラタナスを見たことがない。 ところで、プラタナスは実の付き方に特徴があるそうで、スズカケノキは一つの房に3~6個の実がなり、アメリカは1つだけ、モミジバは1~2個の実がなるという。 この木はモミジバスズカケノキで間違いないだろう。