トリプル浜とは
なかなか梅雨も明けないが、海の日3連休の中日、今にも雨が降り出しそうなどんよりとした朝だが、こんな日こそサイクリング日和とばかり、久しぶりにハマボウロードに向かうことにした。雨に降られてもいいようにと、野球帽にTシャツに短パン、サンダルというオヤジスタイルで自転車をこぎ出す。目指すは清水区折戸。太平洋岸自転車道に沿って海岸線を東に約15km、三保半島の付け根あたりだ。数年前に、このあたりにハマボウの木が何本も植えられているのを発見し、以来何度か訊ねたが、いつも午後の時間帯ばかりだったので、花はわずかしか見ることができなかった。今日こそは満開のハマボウを見られるに違いない。自転車をこぐ足にも力が入り、15kmの道のりを50分ほどで現場に到着。しかし、あの黄色い花はちらほらとしか見られない(7/15撮影)。 ハマボウは和製ハイビスカスともいわれるアオイ科フヨウ(ハイビスカス)属の落葉小高木。花は1日花で、朝咲いて午後にはしぼんでしまうが、次々とつぼみをつけるため、7月~8月頃にかけて長く咲き続けるということだが、ここではもう盛りを過ぎてしまっんだろうか? 午前10時を過ぎたばかりというのに、根本付近の日陰の枝にちらほらと花をつけている程度だ。満開のハマボウは今年もお預けか。 しかし、ハマボウロードの楽しみはハマボウだけではない。このあたりでは、ハマボウに加えて、ハマゴウ、ハマユウのトリプル浜を鑑賞することができるのだ。 ハマゴウはクマツヅラ科の常緑低木。 木とはいっても浜辺を這うように枝を伸ばすため、普通の木のように幹が立ち上がることはない。 我々一般人にはとても木とは思えない植物だ。 この紫色の花は、最初は葉っぱに包まれるように小く咲くが、だんだん花枝が立ち上がり、花びらも大ぶりになってくる(1枚目)。 続いてハマユウは、関東から南の太平洋岸の砂地に自生するヒガンバナ科の常緑の多年草。ヒガンバナは「葉見ず花見ず(花の時期は葉がなく、葉の時期は花がない)」といわれるが、ハマユウは常緑だから1年中葉っぱがある。 葉が万年青(おもと)に似ていることから浜万年青(はまおもと)という別名もあるという。 ハマユウの花は、パーマ頭のようなもじゃもじゃの花に見えるが、よく見ればそれぞれの花は根元がつながっていて、花びらの先端が6~8つに裂けて反り返っている。紫色のヒゲは雄しべで、1つの花に6本あるという(2枚目)。 それぞれの花は規則正しい形をしているのだが、これがいくつも集まって咲くため、もじゃもじゃの天然パーマのように見えるわけだ。 (あと2枚) それにしても、行きはあんなに快適だったのに、帰り道は向かい風が強いうえに日も出てきたため、行きの倍の1時間半以上もかかってしまった。くたびれ果てて事務所に帰り着くと、むき出しの腕やももが真っ赤に腫れ上がっている。これはしばらく後を引きそうだ。