蓮と睡蓮
ハスとスイレンの違いをご存じだろうか? 仏教では蓮華(レンゲ)としてひとくくりにされているが、じつは白蓮華、赤蓮華、青蓮華、黄蓮華などがあり、それぞれハスやスイレンの品種を指しているようなのだが、明確には分かっていない。興味深い考察をしているページがあるので、ご興味のある方はご一読ください。「仏教の蓮華」。 さて、私の能力ではここまでの分析はできないが、ハスとスイレンの違いを可能な限りご説明しよう。 ・蓮(ハス) 沼や池などに生育するハス科の水生植物。観賞用またはレンコンを収穫するために栽培される(06.8.1撮影)。蜂の巣状の果実から蜂巣(ハチス)と呼ばれたものが変化したと考えられている。1.浮き葉(水面に浮いた葉)と立ち葉(水面より高く上がる葉)がある(1枚目)。2.花は水面より高く上がり咲く(2枚目)。3.葉の表面には撥水性があり、水を掛けるとコロコロと水玉になる。 (あと5枚)・睡蓮(スイレン) スイレン科の水生植物(3枚目)。園芸品種が多く、花の色も様々。生育地も様々だが、温帯種と熱帯種に大きく2分される。温帯種は北米やヨーロッパなどに生育する原種から改良されたもので、モネの睡蓮に描かれたのもこの仲間。熱帯種は、南米や熱帯アジア、アフリカなどで産する原種から改良されたもので、派手で熱帯的な雰囲気を持っている。ちなみに、仏教の蓮華のスイレンは、これら熱帯種の仲間と考えられる。1.葉は浮き葉のみ(熱帯スイレンの中には立葉のように見える物があるが、さほど高く水面を出ることはない)。2.花は水面で咲く(これも熱帯種の中には水面より出て咲くものがあるが、ハスほど高くはない)。3.葉には撥水性はない。 ・大賀蓮(オオガハス) 1951年に植物学者の大賀一郎博士が千葉県の古代地層から発見したハスの種3粒のうち、奇跡的に発芽した1粒の種から復活したもので、2000年以上の眠りから目覚めた古代ハスといわれる(4枚目)。大型のハスで、葉も花も水面から1m以上立ち上がる(5枚目)。