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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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小野寺秀也

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2016.01.15
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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き

 とても寒い夕方だ。けっこう着込んだので体はそんなに冷えないのだが、顔や手が冷たくなる。とはいえ、仙台の冬としてはたいしたことはないのだ。12月から正月にかけて、雪も降らず、温かい冬を過ごしているので、ちょっとした寒さに体が驚いているだけなのである。
 来週から本格的な寒波がやって来るらしいので、今日の寒さは体馴らしとしては手ごろというべきだろう。冬は冬らしく厳しく寒く、夏は夏らしく激しく暑いのが良い。暖冬の冬は冷夏の兆し、そんな年が何度かあって、夏のアユ釣りが絶不調だったという経験が身に染みついている。

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集会風景(勾当台公園野音)。(2016/1/15 18:11、16)

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フリー・トーク。(2016/1/15 18:09、26)

 こんな寒さは仙台では普通だと強がりを言ってみるものの、勾当台公園野音での集会でじっとしていると寒さが少しずつ体に侵入してくる。

 主催者代表挨拶は、九州電力川内原発では免震棟を建設しないというニュースで始まった。川内原発には免震棟がない。1号機、2号機の規制委員会の審査は、将来的に免震棟を建設するということを前提に新規制基準をクリアしたとして再稼働を容認した。大事故を起こした東京電力福島第一原発には免震棟があって、それがなかったら状況はもっと絶望的だったと東京電力に言わしめたほどの重要な施設である(もっとも、免震棟があって助かったのは、現場に残らざるを得ない東京電力の社員だけであって、放射能をまき散らされた住民の安全には何の役にも立っていないのだが)。
 免震棟を建設しないという九州電力の判断に、規制委員会は遺憾の意を示しただけで何の対応もしていない。再稼働に支障がある案件であっても「いずれなんとかします」とさえ言っておけば規制委員会は承認し、あとでそれが実施されなくてもそのまんまなのだ。つまり、審査なんか何の意味もないということだ。規制委員会の審査などというのは再稼働するためのおためごかしの儀式に過ぎないということである。規制委員会が、国民の健康や安全のために何事かをなしうると期待するのは難しい。

 続いて福島市から参加された岩淵友さんが福島の現状を訴えながら、宮城の脱原発運動への連帯の意志を話された。岩淵さんは、コーラーも引き受けられて、張りのある声でこの後のデモをリードされた。
 また、学生さんの有志が鎌仲ひとみ監督の映画『小さな声のカノン』の自主上映を計画しているという告知があった。2月6日(土)の午前、午後の2回の上映を東北福祉大学三条キャンパスで行う予定だという。告知された学生さんは、福島の出身で放射能の被爆問題は全く他人ごとではないのだと話された。

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勾当台公園→表小路→定禅寺通り→一番町。(2016/1/15 18:37、38、44)

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一番町に入る。(2016/1/15 18:45、47、49)

 どういうわけか、夜がことさら暗く感じる。勾当台公園を出て県庁前を行く時も、国道4号を渡るときも、表小路から定禅寺通りを渡るときも、絞り優先に設定したカメラではシャッター速度が遅くなりすぎてゆっくり歩くデモ人の動きについていけない。
 濃い闇というのは夏のイメージのように思っていたが、とくに物理的に根拠があるわけではない。冬でも暗い夜は、やはり暗いのである。

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総勢50人の一番町。(2016/1/15 18:47~48)

 今日のデモの参加者は50人。私の記憶力や注意力の問題かもしれないが、あまり記憶にない顔が何人もいる。こうして、人は入れ替わり立ち代わりしてデモは続くのだ。
 デモ参加者の延べ人数が膨大なものになることはわかるが、1度でも参加した人の数(つまり、脱原発デモ経験者)はどれくらいになるのだろう。それもかなりの数になるのではないかと思うのだ、どうだろう。

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ぶらんどーむ一番町。(2016/1/15 18:56、57) 

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東二番丁通り(国道4号)。 (2016/1/15 19:08)

 今日の一番町はいつもよりずっと人が少なくて、そのせいかとても広い道のように感じられた。歳末商戦も忘年会もない街で、冬らしい寒さの夕べは人通りも少なくなるということなのだろう。電飾だけがやけに目立っている。

 1月14日の河北新報ネット版に「〈女川原発〉5km圏 ヨウ素剤配布進まず」という記事が掲載されていた。宮城県が女川町と石巻市の原発5km圏内の住民にヨウ素剤の配布を促しているが、問題が多すぎるとして市も町も配布に踏み切っていないという記事である。
 ヨウ素剤は、原発事故時に飛散する放射能のなかで短半減期のI-131の甲状腺への蓄積を抑制して甲状腺癌の発生を少なくするために事故直後に服用しなければならない。しかし、ヨウ素剤が役に立つのは甲状腺癌に対してだけであって、その他のもろもろの急性障害、晩発性障害、低放射線の長期被爆障害には何の効果もない。事故が起きれば、ヨウ素剤によって助かる人も確実にいるだろうが、全体の被害を見れば福島やチェルノブイリ事故の被害規模とそれほど変わらないだろうことは自明である。5km圏内どころの話ではない。
 記事の中で、とくに目を引く記述があった。配布を渋る市、町の動きに対して、県原子力安全対策課の発言に次のような一言があったという。

「議論は重要だが、原発は今そこにある。住民の安心のためには早く配った方がいい。」

 「原発は今そこにある」と言うのである。この危機認識はきわめて正しい。今そこにあって、すぐにも事故が起きる可能性があるから早く配ってほしい、そういう意味の発言である。
 しかし、事故の危険のある原発が「今そこ」にあるのなら、ヨウ素剤を配るかどうかなどとのんびり議論している場合ではないだろう。出来るだけ急いで住民を非難させなければならない。それが無理なら、事故が起きないように原発の再起動を諦めさせたうえで、廃炉にするよう東北電力に求めるのが県民の生命、財産を守るべき県のやることだろう。
 ヨウ素剤を配ることや、避難計画を立てることで守れるものなどたかだか知れている(ないよりまし、そんな程度だ)。廃炉にすることで守れる土地や人間とは比ぶべきもない。

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ダイエー前。 (2016/1/15 19:09~10)

 デモに出かける前に、頼んでいた本が届いた。堀内和恵さんの『原発を止める島』である。上関原発建設計画が持ち上がってから30年以上にわたって反対を続けてきた祝島の人々の苦闘のルポルタージュである。中には、映画監督の纐纈(はなぶさ)あやさんや鎌仲ひとみさん、写真家の那須圭子さんたちの祝島に寄り添う活動の報告も含まれている。
 表紙裏には次のような惹句が書かれている。

日本では、一七ヵ所の地で原発が建設されてきた。
だが、それをはるかに超える二九ヵ所の地で原発を止めてきた。
この事実を知る人は少ない。

瀬戸内海に浮かぶ人口約五〇〇人の小さな島、祝島。
ここには、三〇数年もの間、原発を止めてきた人びとがいる。

祝島から、優しい風が吹いている。

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堀内和恵
『原発を止める島―祝島をめぐる人びと』
(南方新社、2016年)
南方新社 Tel: 099-248-5455
Fax: 099-248-5457
e-mail: info@nanpou.com
URL: http//www.nanpou.com/

 

 

 

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かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)

 






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Last updated  2017.06.17 20:32:44
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